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100題ももうちょっとなはずなんですけどね。
085:足掻くこと
「ツナ兄…リングを壊すって、本当?」
「うん、本当だよ」
困ったように笑う綱吉の顔を真正面から、見る。
自分がやってくる前にも、何人にも言われたのだろう。思いとどまれ、他に考えはないのか。この状況でそれをやってどうなる、自殺行為だ、危険すぎる、その力を手放してはいけない。
けれど、意外とこの人は譲れないことは何であっても譲らないか、忠告と名付けられるのかも知れないその言葉たちを聞かなかったのだろう。そして、聞かないのだろう、これからも。もう決めてしまったようだから。
そうなれば、誰だって反対できない。綱吉はボンゴレだから。その力は、とてつもなく大きいのだから、反対なんて出来るわけがない。
でも、反対する人たちには賛同をもらってから、壊すのだろう。
綱吉は、律儀だから。
「そっか…でも綱吉、やっぱり気をつけた方が良いよ。そんなことをしたらとっても大変なことになるから」
「やっぱり?」
「それにね、綱吉が思ってないだろうこともあるし」
「え?何?」
「雲のリング、無くなった後が大変だね」
「…あぁ、まぁ」
少しばかり顔を明後日の方向に向け、綱吉は逃げるように視線を泳がせた。やっぱり、とフゥ太は息を吐いた。やっぱり思い至っていなかったらしい。
「…頑張ってもらおうかな。じゃないと本当に大変だし」
「大変?って何が?」
「抗争とか、やっぱり起こるんだろ?ミルフィオーレのこともあるし」
ぱちくりと瞬きすると、どこかウンザリしたように綱吉は呟いた。
「リングは壊すけれど、ボンゴレ自体をどうこうする気は無いしね」
「足掻いてみるの?リングを勝手に手放して、状況も悪いのに?」
「足掻くよ?俺、結構諦め悪いから」
何を当然のこと。そう言われているようで、フゥ太はうんうんと頷いた。
確かに当然だった。
最後まで足掻いてましたよねっていう話。
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