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拍手再録です。
04:影ひとつ(SD:W組)
「なー、こっちにウイング来なかった?」
「来てないけど……どうしたの、そんな所から出てきて」
「いや、上からの方が見つけやすいかと思って」
「なるほどねぇ…まぁ、降りてくれば?」
「そうする」
ひょい、と建物の上から飛び降りたデスサイズに、で?とサンドロックは話の続きを促した。ウイングを探しているというなら用件は殆ど決まっていると言って良いけれども、やはりちゃんと確認はするべきだろう。
だがしかし、そんな気遣いは不要だった。
「アイツ、今日の目標は自爆十回だって」
「……あぁ、やっぱりそうなんだ」
「んで、止める間もなく出てった」
「うん、その時の様子がハッキリと浮かぶ気がする」
話し出した途端に不機嫌になった彼に苦笑して、マグアナック隊を貸そうか?と問えば要らないと答えられた。付け加えて、自分の助力も要らないとも。どうやら、あまり他人の手を煩わせたくないらしい。
ここは素直に頼っておけばいいのにと思うけれど、どうやら今回はいつもよりもムキになっているらしかったから、まぁその言葉も仕方ないのかも知れない。自分が絶対に見つけてやると息巻いている感じだし。
目標以外に何か言われたのだろうか、それともいい加減にしろと思ったのか。どちらにしたって、それとは別の原因があったとしても、今回は手を出さない方が良いだろう。
「じゃあ、ウイング見かけたら電話するよ。携帯持ってるよね?」
「ん。それじゃ、そろそろ行くな」
「頑張ってね」
「夕飯時ぐらいには帰れるように頑張る」
それじゃ、と去っていくデスサイズの背を見送って、サンドロックはくる、と彼が行くのとは逆方向へ足を向けた。
このままここに居て彼らが帰るのを待つのも良かったけれど、今からだと夕飯時まで時間がだいぶある。一つしかない影が二つになって戻ってくるのを、待っていては待ちくたびれてしまうだろう。
早く見つかると良いね。
心の中で呟いて、家路をゆったりと進んだ。
(2010/04/18)
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