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頭にドライアイスが入ってないこの人は、絶対に暴走しやすいよねっていう話。です。



 今、生徒会はとんでもない急務に見舞われていた。
 特訓大好き部が窓ガラスを全部壊したなんて事以上に、たんくが襲撃してきたなんて事以上に、ギャンが変で妙で怪しい薬を作り上げるなんて事以上に、ダブルオーが生徒会長の座を奪いに来るなんて事以上に、それは、とんでもない事態だったのである。
 夏に雪が降るぐらいの大事件。
「……誰が止めんのアイツ」
「……うーん…誰だろーね…」
「巻き込まれたマークⅡは保健室行きだそうよ」
「プラスも同じ末路だったか…」
「メタスさんの声も届かないそうですし…」
「…どうするの?」
 ……それが、ゼータの暴走、だった。
 何事もなければ基本的に無害だから忘れられがちだが、彼とて十分に爆弾だ。一回キレれば手が付けられないのは周知の事実だし、だからといって、暴走防止のためにいつも冷却シートを額に張っておいてもらうわけにもいかないし。
 だから彼の周りのメンバーは、爆弾の起爆スイッチ……つまりゼータとジ・Oの邂逅が実現しないようにと毎日努力してくれていた。そのお陰もあって、暴走の回数も非常に少なくなっていたのだけれど。…それでも今回はダメだったらしい。
「…おとなしくジ・Oさんを生け贄にしてはどうでしょうか」
「アレックス………………何気に怖いこと言わないで」
「でもお兄さん、そのくらいしか静める方法はありませんよ?」
「それは…そうなんだけどさぁ……ていうか、実は出来るならやってる」
「…?出来ないんですか?」
「実は、」
 と、シャアが腕を組んでため息を吐いた。
「ジ・Oはただいま雲隠れ中だ。どこにいるか全く分からん」
「あら、そうなの?」
 ずず、と茶を飲んでララァが首をかしげた。
「彼なら今、体育館の倉庫にいるはずだけれど」
 その言はまるで『このくらい簡単に分かるわ』と言わんばかりであったが、しかし、『何で分かったんだ』と思うガンダム達には、それでもそんな事はどうだって良かった。
 ジ・Oの居場所が分かると言うこと。
 それは、ゼータを止める事が出来る可能性があると言うこと。
 現れた希望にうちふるえていると、ララァが、あ、と呟いた。
「移動しているわ…次は家庭科室ね」
 その言葉が合図。
 ガンダムたちは勢いよく立ち上がった。





ララァさんは最強です。

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