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このお題を消化していくにあたって、一番困るのは話の流れとお題が合わない時…です。
60:山羊
その異変は急に起こった。
そしてその異変によって、大会は一旦中断することになった。
何故なら、そこに現れたのは何頭もの山羊の群れだったのである。
「…何で山羊?」
「それは分からないけど…なんか……逃げ、てる?」
ストライクフリーダムの言うとおりだった。
山羊は、確かに逃げているようだった。だから闘技場を横断してそのまま外に出て行っている。ただ、あまりに頭数が多いので途切れる場所が見つからない。それは、それほどまでにたくさんの山羊が逃げてきているということ、なのだが。
では、一体どうしてそんな事態が引き起こっているのか。
考えられる事柄は何一つとしてなかったが、ただ一つ分かることならあった。
絶対にこういう事が起こった後はとんでもなく悪いことが起こる。
果たして。
「あ、あれ!」
現れたのは、何かいつかどこかで見たことがあるようなモノ。
…どこで見たんだっただろうか。あの、まるでツクシみたいな形のあれは……見覚えはあるのだが…見ればデュエルも何か釈然としないような表情をしているし…あぁでもインフィニットはワケが分からないような表情だ。
もう少しで思い出せそうな気がするのだけれど…。
「何だったっけな…」
「忘れたなら忘れたでそれも仕方ないけど、SEED組!良いからとっとと戦うか逃げるかしてくれない!?」
「あ、ごめんなさい」
うっかり普通にしていたらガンダムに怒られた。
謝ってから武器を手にして、外にも何体も現れた同様のモノを相手にしながら、それでもストライクフリーダムは首をかしげたまま。
まるでのど元に骨が引っかかったかのような感じなのである。
これで気にならない方が不思議だ。
「何だっけ…」
「デビルガンダムだよデビルガンダム!コレの場合はデビルガンダムヘッドだったと思うけど!ついでに言うと山菜!」
「デビル…あぁ!」
ガンダムの言葉にはたと手を打った。
思い出した。確か、それは自分がデュエルに追われているストライクの頃に出現したとか言う人食い山菜だった。走ることに集中しすぎていて覚えていなかったけれど、どうやらそれが微妙な感じで記憶に引っかかっていたようだ。
「そっか…でも、っていうことはこれって?」
「RPGで言うイベントってやつだと思うけど…もしかしたらこれを倒しきったらゲームクリアなのかもしれないよ。これってクリア後の世界なんだし」
インフィニットが、やや元気づけるように言う。
「それで出てきたイベントって事は、そういう事かもしれない」
「じゃあ、たんくに薬ってもう要らないって事?」
「そこまでは分からないけど…」
「お前ら、無駄口は良いから戦え!」
「ちゃんとやってるよ」
「真面目にやれと言っているんだ!」
デュエルに叫ばれ、思わず身を竦める。
彼は……どうやら不機嫌であるようだった。二日間、バクゥに触れられなかったのがストレスになったのかもしれない。
ちなみに一方のインフィニットはというと、あまり気にした様子もなく謝っていた。自分よりも少しだけ付き合いが長い分だけ、付き合い方や気持ちの持ち方という物も知っているのかもしれなかった。
「それにしてもたくさんいるね…」
「本体とか言うのがいて、それを倒さないとダメらしいけど」
「じゃあ、何だ?これは無意味な戦闘だとでも言うのか?」
「そういうわけじゃ無いとは思う。けど、キリがないとは思うよ」
「キリが無い戦闘か…」
それはそれで気が滅入りそうな話だった。
デビルガンダムヘッドを倒しながらも、ストライクフリーダムはため息をついた。
「他の人が本体倒してくれたらあっという間なんだけど…」
「あ、それならさっきゴッドが走って去っていったから問題ないよ」
「いつの間に!?」
「デビルガンダムヘッドが出てきて直ぐかな。行動が早いよね」
早いとか、そういう話じゃないよもう。
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