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幽とルリちゃんの話。というかほとんど会話。短いですよ。
多分じゃなくてもルリちゃん異動後。
「明日、お休みなんですか?」
「うん。久しぶりに一日丸ごと空いてるって」
「珍しいですね。どうするんです?」
「どうしようかな……」
無表情で彼はそう呟いて、少しして、あぁ、と手を打った。
「そういえば、明日は兄さんも仕事が休みだとか聞いた気がする」
「お兄さん……ですか」
彼の零した何気ないその言葉に、自然と頬が引きつるのを感じる。
嫌いだとかいうわけではない。そもそも、ろくに喋ったことも無い相手だ、嫌い様も無い。けれども、相手は覚えているとは思えないし、ファーストコンタクトと呼ぶにはあまりに杜撰過ぎた接触だったけれど、あの出来事を思い出すとどうしたって苦々しい……とまではいかなくても、少し思う所はあるのだ。
……何せ、公園のベンチでぶたれたのは初めてだったので。
彼の話を聞く限りでは悪い人ではなさそうだから、多分、話せば多少は勝手な苦手も消えるだろうけれど……。
果たして、その時、自分は平静でいられるのかとため息を吐いた。
「あぁ、そういえば兄さんに関する良い思い出無かったよね。ごめん」
「いえ……あれは、私たちがいけなかったわけですから……」
「でも、ベンチで良かったかもね。自動販売機を投げられるのは流石に嫌じゃないかな」
「自動販売機!?」
「道路標識も代表的な武器かな。コンビニのゴミ箱も投げるし」
「……何でもありですね」
「最近は素手でビルの壁を登ったとか、聞いたけど」
「……ベンチで良かったです」
心の底からそう思う。
ただ、道路標識の方がまだ痛く無かったかなとは思うけれども。
「それにしても兄さん、元気そうだよね。何よりだ」
「それだけの情報を得て『元気そうだよね』で済ませられる貴方が凄いです……」
「このくらい普通だよ」
「私が言えた事じゃないけれど……全然普通じゃないと思います……」
言うと、羽島幽平……否、平和島幽は首を傾げた。
そして内容的に、多分六巻以降。
きっとルリちゃんは静雄に対して苦手意識を持ってるだろうなぁっていう話。
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