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流行りには乗ってみましょうという事で。
サイケと津軽のお話。しかしキャラがまだよく分かりませんが…。



 とたとた、と聞き覚えのある足音を耳にして、津軽はふっと顔を上げた。
 随分と遅いお帰りだった。もっとも、普通に考えたらまだまだ早い時間帯ではあるのだが、サイケがこの時間に帰ってくると言うのはとても珍しい。
 何をしていたのだろうかと考えている間に足音が先ほどよりも近く……というか、すぐ傍から聞こえて来ていて、それが途切れた瞬間、津軽に勢いよく飛び付き抱きついてくる存在が一つ。言うまでも無くサイケである。
 彼はこちらの腰に腕をまわし、こちらを見上げて幸せそうに太陽の様に笑った。
「つがるー、つがるー!ただいまー!」
「あぁ、お帰り。今日はいつもより遅かったな」
「えへへ、あのね、探し物してたんだよ」
「探し物?」
 その言葉に、ほんのりと不安を覚える。探し物とは一体何だろう。もしかして、彼は何かを無くしてしまったのだろうか。だとしたら日が暮れていない今の内に、とっとと探しに行かなければならない。
 一瞬にして浮かんだそんな考えを、けれども津軽は首を振って打ち消した。サイケは今、こんなにも幸せそうなのだから、その展開はまず間違いなく無い。
 では何が探し物だったのかと首を傾げていると、ずい、と目の前に差し出される何か。
 見ればそれは、クローバーだった。
「これ、探してたんだよ。つがるにあげる!」
 しかも、四つ葉。
 満面の笑みを浮かべて、どうだ!と言わんばかりに誇らしげなサイケを前に、ほんの少し津軽は唖然として……思わず噴き出した。
 それは予想外の反応で、不本意な反応だったらしい。一瞬きょとん、とした表情を浮かべた後、サイケは頬を膨らませた。
「つがる、何で笑うんだよ!」
「いや、悪い悪い……ぷっ…くくく」
「つがるってば!」
「安心しろよ、馬鹿にしてるわけじゃないから」
 憤りに満ちた瞳に穏やかに微笑み返し、彼の頭を軽く撫でる。
 とたんに心地よさげに眼を細める彼に現金な奴だと呆れながらも、やはり笑みを浮かべ。
「ありがとな、サイケ」
 優しく零した言葉に、彼は今まで以上に明るい笑みを浮かべた。






仲良しって素晴らしい。
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