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もうなんか、お題って全部オールキャラ的な物でいいんじゃないか?みたいな。
ティエとリジェネにハプティーズの途美学園設定話です。
11.ドレミファソ
「一体、誰が想像するだろうね?あの、天下の、途美学園の、生徒会長が!……まさか音楽全般が苦手だなんて事を!でも何故か歌だけはかなり上手い事を!」
「黙れッ!」
鋭く叫んで、ティエリアは楽しそうに喋っていたリジェネ目がけて鉄製の筆箱を投げた。
ひょい、とそれをかわして喜色満面の笑みを浮かべる彼に対して、第二撃。
さらにそれもかわされるのを眺め、思わずため息を吐いた。
「何で俺らはここにいんだ……?」
「ティエリアに頼まれたからだよ、ハレルヤ」
「……アイツからの頼み事なんて無視すりゃ良かった」
「そんな事言ったらダメだと思う……というか、頼まれたのは僕だけだったよね?君が一緒に来る理由なんてどこにもなかったんじゃない?……何で来たの?」
「別に何でも良いだろ」
欠伸交じりに片割れに応じて、ハレルヤは、傍にあったチョークをティエリア及びリジェネに向けて勢いよく投げた。
互いだけを視界に入れて攻撃と回避の繰り返しを続けていた両名に、それが避けられるワケも無く。
結果。
「っ…!?」
「痛っ!?」
チョークは見事に二人の顔にぶつかった。
狙い通りの顛末に満足しつつ、次と、その次くらい分の攻撃が出来る程のチョークを手に取る。流石にこれでこちらを置き去りに勝手にやり取りをしてくれたりはしないだろうが、再びつまらない言い合いを開始したら容赦なく追撃を行うつもりで。
が、残念な事にその心配は杞憂に終わったらしい。
若干涙目で額を抑えるティエリアが、ハレルヤを突き刺さんばかりに睨みつけた。
「何をするんだハレルヤ・ハプティズム……!」
「そりゃこっちのセリフだぜ。呼び出しといて放っとく様なマネしてんじゃねぇよ」
「あぁ…それはすまな…………いや待て、確か君を呼んだ記憶はないんだが」
「じゃあ、とりあえずアレルヤに謝っとけや」
「え!?いや、僕はそんなの要らないよ?」
慌てて両手を振って、アレルヤはそれよりも、言った。
「ねぇ、ティエリア、一体何で僕を呼んだんですか?」
「……それは……コイツと、この案件に関して二人きりでいるのが嫌だったんだ。……悪かったな、俺の個人的な用事で呼び出して」
「それは気にしてないけれど……この案件って、何です?この黒板に書いてある事とか、さっき言われていた事とかと関係あるんですか?」
と、黒板を指さして首を傾げる片割れだが。
……その行動と言動の内容が、少しだけティエリアに対する精神的ダメージを与えていると気付かないものだろうか。出来れば気付かないで欲しい。それで生徒会長様にダメージが蓄積されて行ったら万々歳である。
まぁ、ともかく。
問題は、確かに黒板に書いてある言葉だった。
曰く、『ティエリアの音楽能力改善教室』。
しかも、黒板いっぱいにデカデカと……覚え間違いでなければリジェネの文字で書いてあったのだ。
「あのね、実は明日、」
押し黙ったティエリアの代わりに、リジェネが口を開く。
「音楽のテストがあってね……しかもそれ実習でさ。歌以外の音楽系の事って全部だめなティエリアが、泥団子を食べるような気持ちで僕に頼って来たっていう事なんだよね」
「自分が泥団子って自覚はあんだな」
「いや、僕って、彼にとっては毒の載った皿みたいなものだと思ってるよ?」
「……」
「ともかくね、そういうことだから、僕と二人っきりは嫌だったらしくて」
全く、何を警戒してるんだろうね。などと普通に続ける彼の言葉に。
ハレルヤは何も返す事も出来ず、ちょいちょいとアレルヤの腕をつついた。
「…アレルヤ、今すぐ逃げねぇ?」
「…ダメだよ。ティエリア置いて行ったら大変な事になる気がする」
「明日一日くらい、使いもんにならなくても問題ねぇだろ」
「そういう話じゃないよ……」
「とにかく、だ。俺は巻き込まれたくねぇ」
「…なら、君だけ帰ってくれて良いよ?僕はティエリアが心配だから残る」
本気でそう言っているらしい片割れ。
置いて行くことなど色んな意味で出来ないと言うのに、簡単に言ってくれるものだと、二度目の息を吐く。
ティエリアは、一体どうして巻き込む対象にアレルヤを選んだのだろう。どうせならリヴァイヴとかヒリングとかブリングとかデヴァインとか、あの辺りを巻き込めば良かったのに。
ふと、00って、学パロにすると双子率が半端ないと思いました。
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