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我が家設定のマリナ様が帰ってきました、みたいな話です。刹那とマリナ様。
12.録画予約
「……大変だわ」
「何がだ?」
トレミー艦内にて。
収容所からアレルヤとともに救出されたアザディスタンの皇女の呟きを受けて、刹那はちらりと彼女の方を見た。
そうして見えたマリナの表情は非常に切迫したもので、もしかして国政にかかわる重要な何かがあったのではないかと不安を覚えた。何せ彼女は皇女なのだ、重要な役目の一つや二つくらいあって然るべきだし、恐らく実際はそれ以上の数の役割を果たしている。
だから彼女の『大変』というのは酷く重要な何かなのだろうと、刹那は気持ち気を引き締めて耳を傾ける事にした、のだが。
「ドラマ、録画忘れちゃったわ」
「……………………は?」
「だからドラマよ」
想像していたよりはるかに軽いその内容に唖然とする刹那に構わず、マリナは深刻そうな表情のまま考え込み始めた。
「ちゃんと予約取ってたかしら……こんな事になるなんて思ってなかったから、全然何もやってないわ……どうして機械の方で考えて自動に録画してくれる分を買わなかったのかしら。いえ、お金がなかったからなのだけれど……あ、そうだ」
と、表情の中に明るさを現し、マリナはこちらを向いた。
「刹那、刹那の知り合いの中にドラマを見るのが趣味の人っていないかしら?」
「……いや、いたとしても、お前が見たがっているものは流石に見ていないと思うが」
最近は立て続けで色々な事があったようだし(自分の帰還含む)、最近のドラマを見ている暇はなかっただろう。マリナの口ぶりでは、どうやら彼女が見たがっているそれはごく最近の物の様だから、きっとそれを見ている人物はいない。
「録画はしてないかしら?」
「忙しくしているメンバーに、それを訊いて回るのか?」
首を傾げる彼女にそう言うと、あぁ、と言わんばかりの表情で彼女は手を打った。
「それはまずいわね。じゃあ、休憩の時に訊きましょう」
彼女のその言葉を聞いて。
マリナ・イスマイールは四年前から何も変わっていないと、刹那は痛感したのだった。
ゴーイングマイウェイ、なマリナ様のお話でした。そしてそれに振り回される刹那さん。
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