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小道具のお題もラストです。
今回は静雄、ヴァロ、茜ちゃんです。
今回は静雄、ヴァロ、茜ちゃんです。
05:ボールペン
それは、ヴァローナにも興味がある内容だった。
「ねぇ、静雄お兄ちゃんに効く武器ってあるの?」
すぐ傍で、恐らく静雄を殺す為の情報収集の一環だろう問いを、粟楠茜は酷く真剣そうな表情で投げかけていたのである。
確かに、彼女の様なまだ力も無い子供が彼に対抗するには強力な、それでいて使用がそう難しく無い武器が必要だろう。その点、いつぞやのスタンガンはとても彼女に適した武器だった。けれども、あの程度の武器で、あの平和島静雄を殺傷出来るとも考え難い。
だから質問したのだろう。どうやったら傷つける事が出来るのかと。
そんな問いだ、普通に考えて答える必要も無い。
しかし、問われた当の本人は、何でも無いように少女に応じた。
「武器、なぁ……ナイフとかは効かねぇよ?銃は一回食らったな。鉛中毒が怖ぇから、もう二度とやられたくねぇけど」
……そんな態度が、己の強さから来る余裕を現した物などでは無いと気付いたのは、一体いつ頃だろうか。ではどうしてこうもあっさりと自分の情報を流せるのかと観察していて分かったのは、彼が警戒心をそれほど持っていない事だった。
いくら強いからと言って、それではマズイだろうとヴァローナは思う。そんな事で、自分よりも先に誰かに壊されてしまったら……たまったものではない。
彼は自分が壊す。
それは、確定事項でなければならないのだから。
そのためには彼を守ることだって厭わない。だから、茜の動向には特に注意を払っていた。目下の所、一番のライバルは彼女だ。
もっとも、今回の話に関してはそこまでの警戒は必要無いだろう。銃なんて危険物、こんな少女に与える程彼女の親は馬鹿では無いはずだ。
だが。
「あぁ、そういや……ボールペンは何か刺さったな」
「……は?」
想定外の言葉に、思わずヴァローナは固まった。傍で、茜も驚いているのが見える。
ナイフが効かない、銃に関しては気にしているのは鉛中毒、自販機を持ち上げ投げつける、なんていう滅茶苦茶な池袋の大魔神が、まさか、そんな物に刺された事があるなんて。
唖然としながらも、考える。
そういう普通の文具ならば、誰だって簡単に手に入れる事が出来る。勿論、茜も。
ならば気を付けていなければ、と、未だ驚きから抜け出せない少女を見ながら思った。
「ボールペン」だなんて、ある意味デュラのためにあるお題ですよね。
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