式ワタリによる、好きな物を愛でるブログサイト。完全復活目指して頑張ります。
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ダイズロール企画スタートです。最初に出た数字は88で、ジャンルは00でした。
そして00は、このサイトの始まりの一つなわけで…ちょっと運命?
088:眠れない
遠足前日の幼稚園児と言うには楽しさと緊張の比率がおかし過ぎるし、大切な試験を目前にした受験生と言うには必死さが少し足りないかもしれない。
ただ、それでも身に降りかかる事象は彼らの物と変わらないわけで。
ティエリアは、今、睡魔に襲われない自分を持て余していた。
緊張が時として、ここまで人を苦しめる物なのだと身をもって知った事は……あまり良くは無いけれども……良いとして、問題は、これからどうやって眠りにつくか、である。羊を数えるのは一万五千九百二十三匹あたりで止めてしまったし、気分転換にと本を読んでみても逆に目が冴えてしまうばかり。……先ほどからやることなす事の、全てが裏目に出ているのである。困った事に。
これはそろそろ睡眠薬のお世話になるべきだろうか。そんな事を思いながら、何十度目かになる寝返りを打つ。
まさか、ここまで自分が緊張するとは思ってもみなかった。確かに『場所』は変わりはするが、言ってしまえばそれだけだと言うのに。なのに……たったそれだけの事でこんな状態になってしまうなんて、最早、笑い話にしかなりそうに無い。
しかし……眠れない事は実際、大問題だ。
今の所、どこかの争いに介入するという予定は無い。けれども自分はCBのガンダムマイスターであり、もしもの事態に備えて体調は万全な物に整えておかなければならない。それが寝不足で出撃できませんでした、なんて話になったら笑い話にもならないではないか。
それは困る。非常に困る。
どうすれば眠れるだろうかと悩みながらもベッドから降り、ティエリアはそのままの恰好で部屋から出た。
向かうのは医務室。目的はもちろん、睡眠薬だ。
ふらふらと通路を目的地に向かって進みながら思う。
確かに『それ』は嬉しい事だけれども、まさか、そんな『それ』がこんな事態を引き起こすことになるなんて考えてもみなかった。
「これで九月十八日をちゃんと迎えられるのか……?」
自分たちの物語が大スクリーンで映し出されるその日を思いながら、ティエリアは静かに息を吐いた。
もうちょいで映画ですよねって話。
みんな見に行こうね!
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