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サイコロでどのお題をどのジャンルで書くかを決定してるわけなんですが……今回ばかりはグッジョブと言うほかない。
Another Storyでサンドロックとデスサイズのお話。
028:漆黒の鎌
「いや、俺らの使用用途的に、第一印象は大切だってことくらい分かってんだけどさ?だからってこれは無いだろうと俺は思うわけだよ」
「気持ちは分からなくもないけれどね……」
分からなくもないが、逆にそれでなければ何を持たせればよいのだろう。
本体の方を見て少しだけ不満げな色を顔に浮かべている仲間の隣で苦笑を浮かべ、そういえば自分の武装だって物申したくなるような代物だったかなと思い返す。まだ完成していないから何とも言えないのだけれど、確か、ビーム兵器が一つも無かったような。
……そんなので良いのだろうか。
普通はこういうのは良くないんじゃないかなぁと思いながら、これからビーム兵器が取りつけられることを期待しつつ。
ムスッとした表情を浮かべるデスサイズの肩を、サンドロックはポンと叩いた。
「まぁ、確かに鎌って慣れるまで使いにくそうな印象はあるけれど、一応飛び道具だって取りつけてあるんだから良いんじゃない?」
「俺が言ってんのって実用性とかいう問題じゃなくて、デザイン的なアレなんだけど」
「ピッタリじゃない」
「……ピッタリ過ぎるから文句付けたいんだよ。名前といい格好といい武器といい、どんだけ俺を死神にしたいんだよって、さ」
「そういう意見はプロフェッサーに言った方が良いんじゃない?」
「それだけは無理」
「……何で?」
本気でワケが分からなくて首を傾げると、彼は呆れなのか諦めなのか、あるいはその両方なのか良く分からない表情を浮かべて息を吐いた。
「……そんなの言ったら、絶対面白がって無駄に完成度上げられる」
「完成度?」
「つまり、より死神っぽくされかねないって事。より具体的に言うと、死神なら鎌さえあれば良いだろうとか言われて飛び道具全部没収とか」
「……」
そんな馬鹿な事があるわけがない、と言えれば良いのだけれど。
流石にそこまではしないだろうという思いと同じくらいに、そんなとんでもない事でも彼らならやりかねないという思いが自分の中に存在しているのだから…どうしようもない。
願わくばそんな事が起こりませんように。
何も言えない代わりに、心の底からそんな祈りをささげてしまうサンドロックだった。
こちらには死神さんがいるのだから、このお題はまさにドンピシャなのでした。
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