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間違いなく日常茶飯事。ハプティーズのお話です。
052:視線の先
「ねぇ、ハレルヤ」
「却下」
「まだ何も言ってないよ!?」
「言って無くても言いたい事くれぇ分かんだよ」
放課後。町内散策中。
細い路地に視線を向けたアレルヤが服の端をつまんで引っ張るから何かと思って見てみたら、そこにはミーミーと鳴く小さめの四足歩行動物が存在していて。しかもそいつらは段ボール箱に入っていて、段ボール箱にはお約束の言葉まで書き記してあって。
……ここまでご丁寧な状況による説明がなされてしまえば、片割れが何と言おうとしたかくらい容易に分かるというものだった。
はぁ、とため息を吐きだして、ハレルヤはアレルヤの肩にポンと手を置く。
「こいつら拾ってどうする気だ?飼えねぇだろうが」
「……でも、放っておいたら死んじゃうよ」
悲しげに俯く片割れ。
そんな彼に対し、こちらは少し吐き捨てるように言葉を紡いだ。
「それがこいつらの運命だったんだろうよ。生まれて間もないガキを棄てるような飼い主の所に行っちまった不遇に同情しとけ」
もしかしたら邪魔だったから棄てた、という理由でこいつらはこの場所にいるわけではないのかもしれない、のだけれども。邪魔では無かったけれどもどうしようもなく、という事だって可能性としては零じゃあないだろう。もっとも、そんな事は自分にとって全くと言って良い程にどうでも良い裏話でしかない。
今の自分が一番知りたいのは、どうやったらこの場を切り抜けられるか、である。
こうなると強情な片割れの質を思いながら少しばかり面倒に思い、頭をかく。一応最終手段・殴って気絶させてそのまま連れ帰る、というのはあるから、いざとなればどうとだって出来はするけれども、それは後味が悪いので本当にいざという時以外は使いたくない。
というわけで、正攻法を考えるわけであり。
……だからと言って、そんな物が考え突くわけが無いわけであって。
どうやったら片割れを説得出来るんだろうかと、ハレルヤは僅かばかり憂鬱な気分を抱いた。
それでもハレルヤは頑張って説得してアレルヤを引きずっていくのでしょう。
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