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カテゴリーはヴァリアーですが、ひっそりしっかり弟妹同盟入ってます。



089:秒読み
 
 
 
 始めから、分かってはいたのだ。
 けれども、まさかここまで酷くなるとは思っていなかった。
 そう思い、以前もそんな事を考えなかったかと首を傾げる。多分……思った。と言う事はもしかして、毎回毎回自分にそう思わせる程度に彼らの関係は悪化の一途を辿り、事態は面倒な方向に傾いているのだろうか。
 顔を合わせることもないし、合わせたらすぐに戦闘を開始してしまう彼らであるけれど、それでどうやって仲をさらに悪くすることが出来るのだろう。戦闘なんて、単なるじゃれあいの一種だろうに。
 はぁ、と息を吐いて、スクアーロは口を付けていた紅茶のカップを机に置いた。それと同時に響いて来たのは、まぎれもなく爆音。それを耳にして、さらに憂鬱な気分になったのは当然の事に違いない。
 ああいう音を聞くたびに、殴り合い出も殺し合いでも何でもいいから、とにかく戦うなら本部の外でやって欲しいと心の底から思う。建物の修理費だって、何回も何回も同じことが繰り返されると洒落にならない額になるのだ。
 どうにかして建物の外に三人を追い出せないだろうかと思案していると、談話室の扉が、ぎぃ、と音を立てながら開いた。
 ちらりと視線を向ければ、そこにあったのは見知った顔。
「あれ、バカ鮫ここにいたんだ。何でいるの?」
「避難だぁ。そう言うテメェらは何しに来やがった」
「避難だよ」
「そゆこと。ボスとエース君たちの戦いに巻き込まれるなんてフツーに嫌だっての」
 ベルフェゴールとマーモンはそう言って、片方はてくてくと、片方はふよふよと、自分の傍まで向かって来て、そのまま当然の様に自分も座っているソファーに座った。もっとも、マーモンはその後にベルフェゴールに持ちあげられて、王子様の膝の上に座らされていたが。
 その事にだろう、不満げな表情を浮かべながらも、しかし膝の上からは降りようとしない呪われた赤子はやれやれと嘆息した。
「それにしても彼ら、良くやるよね。今日はいつ終わるかな」
「んー。見たいテレビあるし、一時間以内に終わってくれたら俺は良いんだけど」
「……ってかよぉ」
 また聞こえてきた大きな音に眉間の皺をほぐしながら、続ける。
「このままいったら、戦闘が終わる前に本部が壊れるんじゃねぇか?」








ヴァリアー本部崩壊(味方のせい)まであと数秒。
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