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拍手再録です。
059:おかえりなさい
「最初に訊かせろ。何だあの任務」
「ん?あぁ、簡単だっただろう?」
「簡単っつーか、俺が行く必要性が全く感じられなかったんだが」
そんな任務を何で諸々の書類整理が終わらず多忙だった自分に回してきたのかと、ボンゴレ創始者の方をじっとりとねめつける。
睨まれている事は分かっているだろうに、しかし、ジョットはさらりと告げた。
「いや、単に俺が一人でのんびりする時間が欲しいと思っただけなんだが」
「お前は一回地獄を見て来い!」
のんびりする時間なんて、自分がいる時でも取りまくっているくせに今更何を言い出すのだろう、この幼馴染は。何だ、小言が要らないとでも思ったのか。その気持ちは理解してやれるとしても、下の下の下っ端にやらせるのが適切なほど簡単なうえに無駄に長距離を移動しなければならない任務を押しつけられた事を許してやる気にはなれない。
何でこんなのをリーダーにしてしまったのだと過去の自分の選択を色々と悔んでいると、不思議そうな表情で彼は首を傾げた。
「何を言うんだ?流石に天国には行けないかもしれないが、だからといって地獄に行くとは限らないだろう?もしかしたら幽霊になって生き残れるかもしれない」
「それは生き残りって言わねぇよ!」
「だが地上には残っているぞ?」
「生きてねぇだろ!?」
「成程、そういうことか。なら死に残り、といったところかな」
「そんな単語はねぇ!」
と、そこまで叫んで。
少し疲れたので一旦間をおき、その間に軽く息を整えてると。
若干心配そうな表情で、彼が言った。
「G、大丈夫か?何だか疲れているようだが」
……疲労の全原因はお前なんだが。
そう言ってやりたいと思ったが、どうせ言ったところで無駄だろうと、Gは小さくため息を吐いた。
(2010/10/12)
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