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シリーズの中にシリーズ立ち上げたのは良いものの、そういえばメンバーを発表してなかったなぁなんて思いだしたので。対策室メンバー紹介です。
それは鏡の中に。
それは桜の木の下。
それは階段の途中で。
それはプールの水面に。
それは交差点の中央に。
確かに、存在している。
しかし、だからといってその事実が危険に直結するわけではない。基本的にそいつらは何もしなければ何もしてこない物が多いし、中にはいる何かをやってこようとする存在とて十分に力を持っているわけではないのだから。
けれども、ただ。
やはり、そういう力を持ち、なおかつ危険なものと言うのも存在するわけであって。
「だからこーゆー集まりを作る事に異議は無いわけですが、」
「……が?」
「メンバー五人中、実行部隊が二人って普通無いと思うんですけど」
「……そうなのか?」
「いや、せめてメンバー数の半分以上は欲しいかなぁ、とか」
だって心霊『対策』室とか言っている時点でもう、相手取るのは厄介なやつらばかりだとハッキリ断言されている様な物なのだ。対策なんて取らなければならないのは妙に現世に執念とか色々抱いてしまっている連中なので、どうにかするのは難しい。だというのに、それを実行するのがたった二人、というのは如何様な物だろう。
不思議そうな表情でこてんと首を傾げるゼータに答えてから、デスサイズは頬杖を付いて『室長』に視線をやった。
「……まぁ、貴方がいるなら大丈夫なんでしょーけど」
「褒めてくれても何も出ないわよ?」
「褒めじゃなくて事実なんですけど」
「あら、そうなの?」
そう言ってララァは微笑みを浮かべた。
全ての始まりは、そう、この人だ。話があるからと言われて来てみたら、いつの間にかこんな物のメンバーにされていて。それも別に良いかと思っていたら、まさかの展開で実行部隊(=実際に色々と心霊に対して行動を起こす部隊)が有り得ない事に二人だけ。まぁ、確かに『彼ら』に対してアクションを起こせるのは自分たちくらいの物、だとは思うのだけれども。
と、そういうわけなのでララァは室長兼実行部隊長で自分は実行部隊員、という役職を割り当てられていた。二人しかいないのに体長も何も無いだろうと思うけれども、というか『部隊』とかじゃなくても良いんじゃとも思ったけれども、それを言ったら「ノリが大切なのよ」なんて、笑顔で応じられてしまった。
……そして、実行部隊があるのだから別の部隊もある。
それは諜報部隊。
名の通り、この部隊は情報を扱う。つまり、それっぽい噂を集めて、どれが本当なのかを探り当てるという役割を担っているのだ。こちらのメンバーは、実行部隊が二人なので、三人。ただ、この三人の中の二人に、自分はとんでもなく不安を抱いていた。
と言うのもその二人、霊感ゼロ、なのである。
そうなると、危険性は結構増す。危ない場所には言っても気付けずにそのままゲームオーバーなんて話もあり得ないとは言い切れないから。けれども二人の片方のオカルト関係の情報は結構貴重な物だし、そちらを引きこむとなるといつも一緒に行動しているもう片方も巻き込まれるのは必然。
ここまで言えば分かるだろうが、その二人とはノワールとスターゲイザーの事だった。
ちなみに二人は諜報部隊員で、諜報部隊長はゼータである。
……ここまで心配になる部隊編成と言うのもちょっと珍しいような。
大丈夫か……?と本気で不安に思っていると、ふいにスターゲイザーが手を上げた。
「しかし、確かに実行部隊二名は少な過ぎると思われます」
「貴方もそう思うの?理由は?」
「危険です。何が起こってもいい様に、メンバーは大目に用意しておくべきだと思います」
「それもそうね。でも、その問題に関しては既に手を打ってあるわ」
「手……とは何だ?」
ノワールが尋ねると、ララァは相変わらず微笑みを浮かべたままに、言った。
「生徒会を使うのよ」
「……あぁ、やっぱそーゆー…、」
「あと、貴方の仲間たちも使いましょう」
「え」
「貴方のお友達や兄弟も良いかしら、ゼータ」
「多分……大丈夫だと思う」
突然の提案に固まったデスサイズの傍で、とんとんと進んでいく会話。
「ということで、お手伝いさんがたくさんいるから大丈夫よ」
「分かりました」
そしてはっと我に返った頃には、もう話に決着がついていた。
……かくして、不安だらけの対策室は、こうして完全に結成されたのだった。
多分、ノワールは実行部隊になりたいようななりたくないような気持ちに違いない。
心霊現象は見たいけど怖い、っていう、ね。
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