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風邪話ラストです。……多分、穴があったら入りたい気持ちなんじゃないかな。
全ての元凶を引きずり辿りついた扉の前には、何故か徐晃がいた。
「あれ?徐晃さんじゃないですか。どうかしました?」
所在なさげに扉の前に立っている彼の姿に、何があったのだろうと夏候惇が内心首をひねっている間に、不思議そうな声を上げたのは自分に引きずられたままの郭嘉だった。
自分たちが見ている光景に背を向けたまま、顔だけをこちらに向けている若い軍師の様を、あちらも妙に思ったのだろう。何と反応したら良いのだろうと考え込んでいる様子を見せながら、徐晃は言う。
「……いや、どうかしているのは貴様の方だが……何があった?」
「実は、曹操将軍が風邪を引いたらしいのだ」
「……将軍が!?」
「うむ。私も確認しているわけではないが、夏候惇殿が見たと」
驚愕する徐晃に対して司馬懿が頷き、こちらに視線を向ける。
その視線に応と答え、言葉を継ぐ。
「何でも、郭嘉が曹操に水を頭の上からかけたと言う事でな」
「な……何と言う事を……」
「それは俺も思った」
ふらりと揺れる事は無かったが、随分と衝撃を受けたらしい彼の様子に同意を示す。主君に向かってその様な事をするなど、普通は許される事では無い。……だから実際、仕返しの様に彼は未だに黒焦げ状態であるのだろうが。
まぁ、それでも生ぬるいだろうと思いつつ、そういえば、と扉の方を見る。
「徐晃殿はどうしてここに?」
「実は曹操将軍にお渡しする物があったのだが……扉を叩いても音沙汰ないのだ」
「ほう?扉を開けてもらえぬのであるか」
「そう言う事になるが……一体何故なのか」
「確かに変ですよねぇ。風邪引いてても、会わない理由にはならないでしょうし」
困惑している三名の言葉を聞きながら。
しかし、夏候惇は何となくその理由を察していた。
恐らく、しばらく彼は横になったのだろう。風邪とは全く無縁だった侠だ、少し休めば完全とは言えなくても体力は回復したに違いない。……朝の行動を冷静に思い返す事が出来るくらいには、確実に。
そしてそうなった場合、流石に彼でも……誰とも顔を合わせたく無いと思うのではないだろうか。特に、自分とは。
となれば、しばらく放っておいていた方が良いのではなかろうか。
そう結論付けて、夏候惇は徐晃たちを連れてここから離れようと、口を開いた。
テーマ的なものは、「普段は絶対見れない曹操様」でした。
本当は、ベッドから落ちてもらったり、壁にぶつかってもらったり、違う方に向かいかけたり等々、色々としてもらう予定でしたが割愛。うん、私は曹操様に何をさせようとしているのだろう。
お付き合いくださった皆様、ありがとうございます。
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