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まさかの中編。また続くのか……。
そして、出てくる人が少ないのは仕様。だっていっぱい出せるほどまだ三国伝話書くのに余裕ないの。



「……成程」
 夏候惇が何故曹操が今この場にいないのか、その理由を全て話し終わった頃。
 司馬懿は静かに頷いて、ちらりと背後を見た。
「だから郭嘉が黒焦げているのであるな」
「多分な」
 こちらも彼と同じ方向に視線をやって、息を吐く。
 二人分の視線を受けている本人はと言うと、自分たちのその視線が不満なようで、不機嫌さを隠すことなく顔に浮かべていた。しかし、それでも反論しないところをみると、どうやら自分たちの考えはあながち間違ったものではないらしい。
 一体何をしたのだと頭を抱えていると、ムッとした表情のまま、全ての元凶が不満そうに呟いた。
「……人が親切心を発揮してやった事に対して、その視線は無いと思うんですけど」
「親切心?」
「えぇ。親切心ですよ」
 それでどうして曹操が風邪をひく羽目になる。
 現状と彼の言葉との間の有り得ない溝に何となく嫌な予感を覚え、夏候惇それ以上を聞くのを止めようかと一瞬程度、思った。割と本気で。
 だが、聞かなければ何も始まらない。
 意を決し、尋ねようとしたところで……先に問いを投げたのは司馬懿だった。
「一体何をしたのだ?」
「いや、最近色々と面倒事があってお疲れだったみたいだから、ちょっと気分転換になるようにって悪戯しかけたんですけど」
「気分転換と言う言葉から悪戯という言葉が出てくる時点で何かおかしいと思わんか?」
「その様な事をこの弟子に言ったところで意味は無いと思われるが。……で、何をした?」
「簡単なトラップですよ」
 ……だから気分転換でトラップとは何事だ。
 心の底からそう口を挟みたかったが、残念ながら今回もその言葉は外に出なかった。
 というのも、郭嘉がとんでもない爆弾発言をしてくれたのである。
 彼は何でも無い様な表情を浮かべ、こう言った。
「自室のドアを開けたら上から水がざばーって降ってくるだけの、命に別条は無い罠です」
「……」
 その言葉に司馬懿共々思わず沈黙して。
 数秒後。
「とりあえず連れて行くか」
「……で、あるな」
「え?連れて行くってどこに……って、ちょっと!襟首つかまないでください首締まっ……!」
 一致した意見に頷き合い、状況を掴み切れていない郭嘉を引きずって、自分が先来た道を三人で辿るように進んだ。







黒こげなのはあれですよ、悪戯が郭嘉のって直ぐに分かった曹操様が大紅蓮斬くらわせに行ったからですよ。
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