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 どうやら良い天気であるようだし、眠気覚ましに少し歩く事にするかと、庭へ行く事にした。そちらならば、流石にあの鮫が探しに来るようなこともないだろう。
 そう思いベッドから下りたその瞬間、小気味良い音を立てて、そこそこの勢いで部屋の扉が開かれた。
「ボス、起きてる!?」
「……マーモンか」
 慌てた様子で飛び込んできたのは、ふよふよと宙に浮いている赤子だった。
 マーモンは立ちあがったこちらを見て安堵の気配を纏い、口を開いた。
「ごめん、ボス、僕だけじゃ駄目っぽいから助けてくれないかな」
「厄介事か」
「うん。あ、でも、その……規模がちょっと問題でさ」
 だから助けて欲しいんだけど。っていうか助けてくれないとこの建物が崩壊するよ?
 と、脅しなのか要請なのか良く分からない言葉を吐く赤子を見据え、その言葉について思考を巡らせる。どうせ、厄介事というならばベルフェゴールが絡んでいるのだろう。けれどもきっと、そこにスクアーロはいないはずだ。何故かと言えば、彼がいればそれで大抵の問題はどうにかなるから。ヴァリアー次席の肩書は伊達では無いのだ。
 だが、どうせ彼の事。直ぐに騒々しさに気付いて厄介事を片付けに入るに違いない。
 ならば自分が出る幕は無いだろうと思っていると、困った様な声が耳に届いた。
「あのね、スクアーロじゃ止められるか微妙だなって思ったからボスの所に来たんだけど」
「……何?」
「そりゃ、スクアーロが強いのは僕だって分かってるし、こんな場所で引き起こる厄介事だって基本的にはどうとでも出来る人だって言うのも理解してるけどさ。今回のはその……まぁ、とりあえず来てくれたらわかるよ」
 珍しく言葉を濁す赤子の様に眉を寄せながら、息を吐く。
 何にしても、どうやら自分が行かなければないらしい。
 
 
 


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