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カタカナ……カタカナのスキ…?って何書いたらいいんだろうか?
…と悩んでいたのですが、今日ようやくピンときました。
カタカナだろうとスキは好きなのだから、好きなものを書けばいのだと。
というわけで、好きなものは何ですか?なミレイナとマイスターズのお話です。
12.カタカナのスキ
「好きなもの?」
「はいですぅ!是非是非教えていただきたいのですぅ!」
「突然どうしてそんな事を訊き出すんだ、君は……」
「実はですねぇ、皆さんの好きなものアンケート実施中なのですぅ!」
だから是非是非是非是非!
そう言って、ずい、と身を乗り出してくるミレイナに、ティエリアは軽く息を吐いた。
ここは食堂。先ほどまで自分は、ここで偶然出くわした刹那とアレルヤと……ついでにライルと共に昼食を取っていた。物を食べながら話したり話さなかったりしていたその時は、割と静かで穏やかな雰囲気が漂っていた様に思う。
しかし、それも彼女が訪れるまで。
いつも全力で賑やかな彼女が現れた事で、穏やかだった空間が一気に華々しくなったのである。その明るさには何度も助けられてきているし、それが悪いことだとは言わないが……出来るならば時と場合と状況を考えてくれはしないだろうか。折角、のんびりとした気分を味わえていたというのに。
もっとも彼女が既に現れてしまっている以上、こんな嘆きも意味の無い事なのだろう。
諦観に憂鬱さを追い出させてから、テーブルを挟んで向こう側に座っている黄色い制服を纏った少女へ改めて視線を向ける。
けれどもミレイナは、こちらの視線に気付いた様子も無く、右隣に座る刹那と左隣に座るアレルヤに話しかけていた。
「それでそれで、セイエイさんの好きなものは何なのですか?」
「ガンダムだ」
「むぅ、分かり切った返答ありがとうございますですぅ。ちなみに一番好きなガンダムはどれですか?エクシアですか?ダブルオーですか?」
「……ミレイナ」
「あ、答えられないなら答えられないで別にオーケーですぅ。一応回答はもらってますから。じゃあハプティズムさんは……いや、訊くまでもないですねぇ」
「だろーなァ……こいつ隠す気も何もねぇし、見てりゃ分かるだろ」
「おやおやこれはハプティズムさん(裏)さんではないですか」
「誰が(裏)だ誰が」
「おや、お気に召しませんでしたか?ならばハプティズムその二さん、ハプティズムその二さんが好きなものは何ですか?」
「その呼ばれ方も何かイラつくなオイ……で、何だ?好きなもの?」
「はいですぅ!」
「戦闘だな」
「おぉ、何となく納得しそうなお言葉ですねぇ。理由はあるのですか?」
「あってもそこまで教える気はねぇよ。……んで、そっちでダンマリを決め込んでる茶髪と眼鏡はどうなんだ?」
と。
いきなり向けられた話題の矛先に、すぅっと目を細める。どうしてミレイナでは無くハレルヤが、どうしてこちらにそれを振ってきたのかは考えるまでも無く明白だろう。これは間違いなく彼による嫌がらせだ。
にやにやと猫の笑みを浮かべてこちらを見るハレルヤを鋭く睨みつけてから、ミレイナからは見えない角度でライルの腕を軽くつつく。
どうした?と言わんばかりに向けられた視線に、先に言えと睨みを返して、ティエリアは頬杖をついた。刹那とハレルヤが比較的素直に答えてしまったため、どうやら既に彼女の問いに答えなければならないも状況になってしまっているようで。ならば先に言ってしまった方が気が楽になるのは分かっているけれども、だからと言って本当に答えてやろうかと思えるかといえば……そうでもないのは当然の事。
故に、これは愚策なのである。どうせ後に順番が回ってくるのは明白なのだから、せめて最初と最後だけは回避するというのが良策だろう。
そこまで理解してなお答える順番を遅らせようなどというのは……自分でも少々、呆れてしまう様な行動である。
額に手を当て嘆息している間に、ライルが口を開いた。
「俺は当然、アニューだな。アニューが一番好きだ。二番目はそうだな……一応相棒なわけだし、ハロとでも言っとくべきか?」
「一応、か……その場合、その発言がばれた時にハロからの制裁がくるな」
「せいさっ……!?」
「あぁ、アイツならやりかねねぇな。今回は何をやらかしてくれるのやら」
「……じゃあ、二番目はノーコメントで」
「懸命だな」
「チッ……言えよ、ヘタレ」
ライルが顔を引きつらせ、刹那が頷き、ハレルヤがつまらなさそうな表情をし。
「では最後ですぅ……」
ミレイナが、微笑んだ。
「アーデさんが好きなものは何ですか?」
しかし実際、刹那はエクシアとダブルオーだったらどっちを選ぶのだろう。
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