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そういえば最近って、滅多に手紙とか書いたりしませんね……だいたいメールで事は済むし。
そんな感じではないですが、お手紙のお話。10年後ぐらいの綱吉です。
12:手紙を書く (Re:ボンゴレ)
それはちょっとした思いつきだった。
普段ならば、思いついただけで終わってしまうだろう事柄。けれども代わりになる事はやってしまうだろう行動。そして、しばらく経ったら、再びやろうかなと考えてしまうような行為。
そんな事を、手紙を書くなんて事を、仕事がひと段落した時に思いついてしまった。
どうしようかなぁ……と、腕を組む。やっても良いけれども、何だか愚痴ばっかり書く事になってしまいそうだ。自分の仲間たちは殆どみんな頼りになる人ばかりなのだけれども、どうにもキャラが濃すぎるもので……気が付いたら彼らのせいで、色々な苦労に見舞われていたりするのである。
まぁ、そんな苦労は確かに大変だけれど、それほど嫌なものではないのだが。
しかし、やはり苦労は苦労なので、誰かに伝えたくなってしまうのだ。
もっとも……誰かに苦労をかけているというのなら、きっと自分も誰にも負けていないのだろう。でも、仕方が無いのだ。みんなが危ないと思ったら、体は自然に動いてしまうのだから。いくら危険に飛び込むなと言われても、こればかりは性分なのでどうしようもない。それに、これでも昔よりは辛抱強くなったのだし。
それでも、まだ足りないのだろうけれど。
昨日もこっぴどく叱られたなぁ、と左手にまかれている包帯を見て苦笑しながら、机の引き出しから紙と筆記具を取り出し、書類が無くなり空いたスペースに置く。
さて。
書き始めはどうしようか。
拝啓……というのは、少し格式ばり過ぎな気がする。
お元気ですか……に類する言葉は、必ず手紙のどこかに書くにしても、最初から書くには少し唐突な気がしないでもない。特に問題ない気はするけれども。
と、なれば。
最初は、この言葉から始めようか。
筆記具のキャップを外しながら、綱吉は笑みを浮かべた。
『母さんへ』
やっぱり、手紙って良いと思うんですよ。
手紙、というものが廃れ消えませんように。
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