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ネタかぶりは本当にごめんなさい。似たような事しか思いつかないんだ……。
そんなこんなでシリアスめにフルカラー劇場。W組というか、天使と死神のお話。多分。
一回やってみたかった形式でやってみますね。




 たまに見る夢の中で、あいつらは遠くにいる事がある。
 
 遠いと言っても手を伸ばせば届きそうな距離だ。けれども、手を伸ばして触れたら壊れそうな世界の中にいる。だから手を伸ばせず、入ることだって出来ず。出来るのは、ただただ外側からあいつらを見ている事だけ。

 それでも良い。あいつらが笑っているなら、その姿を見れるなら、別にそれでもいいと思う。微かに胸に突き刺さる寂しさなんて些細な物、無視できる。

 でも、不安になる。

 あいつらは夢の中で、触れたら壊れそうな世界の中にいる。触れなければ世界は壊れないだろうけれど。じゃあ、自分以外の誰かが世界に触れようとしたらどうすればいいのだろう。自分ではない誰かのせいで、自分と同じような誰かのせいで、この世界が壊れてしまったらどうしよう。

 防げばいいのだろうか。防げるのだろうか。その誰かが訪れるのは、きっと生まれた時からの確定事項だ。運命の様なそれを、振り払う事が出来るだろうか。自分にそれだけの力があるのだろうか。

 疑問は尽きない。答えも出ない。
 だから、疑問は疑問のまま、ぐるぐると頭の中を回り続ける。
 存在しない出口を探しているかのように、ぐるぐるぐると。

 あまりに頭の中で疑問たちが動き回るものだから、ほんの少し頭が痛くなることだってあった。しばらく何も考えないようにすれば、その痛みは多少はマシになるのだけれど、結局それから逃れるには夢から覚めるしかない。起きるしかない。しかし、起きるのが怖くなる時だってある。夢が現実になっているのではないかと考えてしまうから。そう思う事はそう滅多にないけれど、存在しないというわけではない。

 そういう時は、意図的に目を閉じる。起きかけても、無理矢理睡魔を引き寄せる。
 人に聞かせれば馬鹿にされる様な足掻きだとは思う。意味が無いことだと理解もしている。それでも、たまにはそんな気分になることだってあるのだ。
 それに、こうしていたらあいつらの中の誰かが起こしに来てくれる。

 今日も、ほら。

「……お前は何時まで寝ているんだ」
「誰かが起こしに来てくれるまで……だな」
「じゃあ起きろ」

 少し呆れ気味に自分を見る彼。
 その視線を何となく視線で辿りながら、呟く。

「……生きてる感じがする」
「……突然どうした」

 眉を寄せた彼に答えずに、もう一度、仰向けのまま口を開く。

「生きてる、感じがする」

 手を伸ばしても壊れないだろう世界の中にいる姿を見て、ようやく。
 本当に、おまえが、おまえたちが生きている感じがするんだ。



 
 それが、とても嬉しいなんて。
 言っても驚かせて困らせるだけだと思うから、言わないけれど。



 
生きていると死を纏う







と、いうわけで。
死神さんと、死神さんを起こしに来た天使のお話でした。天使ほとんど出番なし。

死神、っていうとね、こんな事しか浮かばないんだよね。
FC劇場の世界はほのぼのしてるから良いんだけど、あんな世界じゃなかったら笑って過ごすのも大変だと思うんだよ。
最後のタイトルの一人称が「私」なのは仕様ですごめんなさい。「俺」より「私」の方がぴったりきてしまったものですので……。
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