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子供時代を書いてみようと思って変な方向に行った品。もったいないのでup。
淵と曹操様。惇兄はいないです。
たまには、ねぇ……?



 あるとき、子供の隼は森の中を飛んでいた。
 特に何をするでもなく、のんびりと行っていた。
 用事なんてものはない。ここにいる理由なんて、ただ何となく、でしかないのだ。家にいても暇だし、家から出ても知り合いを見つけられなかったから、暇をつぶそうと思ってここに来た。それだけなのである。
 森は涼しく、快適だった。
 自然に囲まれていると、気分が穏やかになるのが不思議だった。これが森の力、というやつなのだろうか。よくは分からないけれど、それでも少しは分かった様な気がした。
 そんな風に考えながら進み、ある木の前で止まる。
 それは、赤い木の実を枝に付けた木だった。
 こんな物がここにあっただろうか? 隼は首を傾げたけれども、まぁ、いいか、と疑問を投げ捨てた。森は広いのだから、自分が知らないものがあってもおかしくない。これは、その知らないものの一つだったのだろう、きっと。
 しばらく、じぃ、と木の実を見つめていた隼は、たくさん成っている木の実の中から一つ、とても綺麗な実をもぎとった。
 持って帰ろう、と思ったのだ。これの理由も多分、なんとなく。
 木の実が傷付かないように慎重に持ちながら、隼は元来た道を戻っていった。
 森を出たら、次は小高い丘へ向かう。そこには誰かがいるはずで。
 そうして辿りついた丘には、予想通り、影があった。
 丘の上に一本だけ生えている木の枝に止まっている小鳥は、隼が持っている木の実と同じ色をしている。一人で無茶をする事もあるから目が離せない、少し困った小鳥。
 自分も兄も大好きな、愛しい小鳥だ。
 その傍らには珍しく兄の姿はなかった。どこかへ行っているのか、まだ来ていないのか。どのみち、ここで待っていれば兄もそのうち来るだろう。
 隼は、木の実を持ったまま小鳥の隣に止まった。
 赤い小鳥を改めて見て、ふと、思う。もしかすると、この木の実をここに持って来たのは、この小鳥の事が頭の中にあったからかもしれない。
「それは何だ?」
 と。
 小鳥が、木の実を見ながら訪ねてきた。
 隼は答える。
「分からねーんだけど、森に行って見つけた」
「ふぅん。……食べれるんだろうか」
「それは……どうだかなぁ。兄者にきいたら分かるかもしれねーけど」
「そうか……?」
「……多分」
 そう疑わしげに言われると、頷くに頷けないのだが。
 まぁ、いざとなったら両親とか近所の人とかに訊けばいいか、と思いながら、赤い木の実を小鳥の方に差し出す。
「……何だ?」
 不思議そうに眉を寄せながらもそれを受け取った小鳥に、言う。
「俺はいらねーから、やるよ」
「……いらないものを人にやるのはどうかと、」
「いや、そういう意味じゃなくってな」
「分かってる」
 思わず呻くと、小鳥は笑った。
「これはありがたくもらっておく」
「……そうしてくれ」
 そうして、隼は肩を竦め。
 小鳥につられるように、笑った。
 
 
 
 
 
(そういえば兄者が出てこなかったな)
(たまにはそういうこともあるだろう)
(……ま、それもそうか。じゃあ仕方ないな)
(うむ)
 
(……お前ら)








曹操様と淵って少ない気がするんだけど。

……「小鳥達」シリーズとかやってみようか。メインに子曹操様と子淵を据えて、子供時代をわいわいと。惇兄は入れたり入れなかったりして。
「小鳥」シリーズにして、子曹操様と他の人とか言うのももちろんあり。
もちろんこれは思いつきであり、実行できるかは分かんないですけども。
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