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ようやくリハ開始です。今回は情報屋チームのお話。チームって言うかコンビだけどね。
あと、詩的20のお題ではありますが、詩じゃないです。お話です。そして詩的でもありません。



19:鏡 (DR:いろいろ)
 
 
 
 どうやら、今回はハズレだったらしい。
 不機嫌ではなさそうだが大して嬉しくもなさそうな表情で帰って来た雇い主を見て、波江は直ぐにそう結論付けた。もっとも、この顔を見てそれ以外の結論行きつく事は、普通ならばそう無いだろうが。まぁ、何も知らない誰かが見れば別の何かに辿りつく事もあるかもしれないけれど、そんな他人に彼はこんな表情を見せはしないだろう。
 コーヒーを飲みながらそんな事を思い、口を開く。
「お帰りなさい。成果はどうだったのかしら?」
「……それ、わざわざ訊く様な事? 訊かなくても推測出来るんじゃない?」
「私は貴方から直接聞きたいのよ。その方が正確でしょ」
「…………偽物だったよ」
「あら、残念ね」
 じっとりとした視線に口先だけの同情を返せば、今度は盛大なため息が贈られてきた。
 贈り物と言えども、素直に受け取ってやる道理は無い。溜息の方も軽くスルーして、で?と、話を促す。
「結局、今回のって何だったの。貴方が何らかの情報を得て、何かを回収に行ったところまでは教えてもらったけれど? それが何なのかは結局、言ってもらえなかったものね」
「もしかして、さっきの嫌がらせの原因ってそれ?」
「さぁ、どうかしら」
「……まぁ、いいや」
 肩を竦めて、それから彼は続けた。
「俺が今回見に行ったのは、鏡だよ。手鏡」
「どうせ、普通の鏡じゃないんでしょ」
「まぁね。何でも、映した対象の未来が見えるっていう鏡なんだけど……実は、ちょっとだけ期待してた。だから少し口惜しいと言うか、ね」
「意外ね」
 微かに瞬きをしてから、首を傾げる。
「貴方も『未来』に興味があっただなんて。驚いたわ」
「人並みにはね。これでも俺、化け物じゃなくて人間だしさ。それに、」
 と。
 楽しげに笑って、彼は言う。
「そういう物を放りこんだら面白くなりそうだろ?」
「……貴方、」
 どこに放りこむつもりだったのだとか、誰に押し付けるつもりだったのだとか、訊くべきなのであろう事柄は幾つもあった。けれども、そのどれも選ばずに、波江はただ、感想を述べる事にした。
 コーヒー入りのカップを傍らの机に置いて、腕を組み。
 一言。
「そんなに捻くれてると、友達無くすわよ」
「……余計な御世話だよ」






本当は九瑠璃と舞流の話にしようかと思ってたんだけども、何故かこんな感じに着地。
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