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ロックオンは保護者!
チビスターズ第二話 ⑩
ハロとフェルトを探して船内を歩いていると、二人を休憩室で見つけた。
こんな分かりやすいところにいたのかよ……。
そう思いながら、室内に入る。
最初に自分に気づいたのは、オレンジ色のAIだった。
「ロックオン、ロックオン!」
「え?………あ、ロックオン」
「よう」
驚いているフェルトの真正面の席に腰掛けて、軽く机に肘を突いて頬杖。
ちらり、と彼女の前に置いてあるホットミルク(身長でも伸ばしたいのか?)を見ると、すでに湯気は立たなくなっていた。なのにどうして『ホット』だと分かったかというと、それはカップに書いてあったからだ。種はそんなに凄いものではない。
おそらく飲み物のことを忘れて、ずっとハロと喋っていたのだろう。何となく、その姿が想像できる。フェルトはハロにぞっこんだし。それはもう、エクシアに対する刹那のように。程度はもちろん、彼の方が上だろうけど。同等なのがいるとしたら……誰だろうか。刹那と同じくらいの熱意を持っている人物……少なくても、トレミーのクルーの中にはいないと思う。
……そういえば、ユニオンのフラッグの中に、変なのがいたっけな……。
「ロックオン、どうかした?」
「え?あ、いや……何でもない」
フェルトの声で、思考が変な方向へ逸れていたことに気づく。
危ない危ない。肝心なことは、フェルトがハロと何を話していたかだった。
今日、話すことと言えばやはり、小さくなってしまった二人のことだろう。それ以外の話題もあるけれど、あの二人のことで霞のごとく……いや、それ以上に存在が薄くなっている。それだけ驚愕の出来事だったわけだ。
それに、フェルトは明日、彼らと一緒に地上に降りる。話題にしないわけがない。
「なぁ、ハロと何を話してたんだ?」
「……明後日のこと」
「明後日?」
服の買い出しの日、か。
ということは、どういう服を買うかについての相談をしていた……のだろうか?
「ハロ、何訊かれたんだ?」
「スカートノコト、スカートノコト!」
「は?スカートのこと!?」
どういう質問だ、それは。
「セツナ、アレルヤ、スカート、ドウスル、ドウスル!」
「………何?スカート買うかって話?」
「…うん、そうなの。スメラギさんとクリスティナに提案されて…」
顔をフェルトの方に向けると、彼女は飲み物を口に運んでちびり、と飲んだ。
その様子から、何となく彼女もその案に賛成しているのだろうと思えた。いや、根拠も何もない、単なる勘なのだけど。
「で、お前は何て答えたんだ?」
「フェルト、シタイヨウニスル!ガマン、ヨクナイ!」
「……つまり、スカート買えばいいって言ったんだな」
何てことを言ってくれたんだ、こいつは。
ロックオンは、頭を抱えたくなった。
「いいか、フェルト。それだけは絶対にダメだ」
「どうして?ハロがいいって言ったのに」
「二人が嫌がるだろ?」
「でも……ハロが…」
「フェルト、ヤッチャエ、ヤッチャエ!」
「ハロ……!」
「こら相棒!煽ってんじゃねぇよ!」
このサイトのフェルトの脳内は、多分
ハロ>ロックオン
だね。でも、こういうフェルトって可愛いと思うんだ。