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安直なカテゴリタイトル…




~序~

 チャイム音に呼ばれ玄関を開けば、そこには少年と、顔の半分を前髪で隠した青年がいた。どちらも、ここら辺では見ない顔だ。
「どちら様ですか?」
「隣の家に引っ越してきた。受け取れ」
 訊くと少年がそっけなく答え、手に持っていた袋を差し出してきた。
 袋を開いてみると、それはお菓子の詰め合わせ。
 どうやら、彼らは隣の新築の家に引っ越してきて、それで挨拶回りをしているようだ。
 それはとりあえず置いておいて。もらうものをもらったのだし、お礼をしなければ。
「ありがとうございます」
「礼には及ばない。あらゆる意味で世話をかけるのだから、このくらいはな。少ない方だ」
「……はい?」
 その言葉はどういう意味だろう?問題を起こすと事前予告をしているということで?
 反応をどう返すべきかと悩んでいると、青年がふああ、と欠伸をした。
「チビ、そろそろ次行こうぜ。早く帰って眠りてぇ」
「それは俺も同じだ。夜遅いしな。右隣は……トリニティといったか?」
 ……何だろう、この疎外感は。
 自分を放り出して、勝手に話しだした二人を見る。
 ……無愛想な少年に、他人を気にしない青年、というところだろうか。
 少年の方は、自分と歳が近そうに見えるけれど……仲良くできるかは、少し不安だ。対して青年の方は……いやもう仲良くしようとかいう対象から外れてる気がする。年齢とか、そういうのから考えても。
「では、俺たちは行く」
「あ……はい。さようなら…」
「あぁ」
 少しの言葉、離れていく二人。

 去っていく背中を眺める沙慈の胸には、幾ばくかの不安が去来していた。
 ……これから、どうなるんだろう?

(2008/06/08)


~荷物の片付け編~

「やっぱり……五人で暮らしてたら、荷物も多いですね……」
「だな。その上アレあるし……」
「…………ですね」
 荷物を片付けていた二人の視線の先には、二山の段ボールの山があった。片方は刹那の物、もう片方はティエリアの物だ。
 ティエリアのは大量の本。専門書から小説まで、小さな書店並の品揃え(?)である。
 刹那のは……言わなくても分かるような気がするが……そう、大量のガンプラである。その量は段ボールに換算すると、ざっとティエリアの十倍に及ぶ。ハッキリ言うと多すぎで、どこからそんなに買う金を得たのかとか、どうしてそこまでガンプラにこだわるのかと、ツッコミを入れたい。
 しかし、目の前にいるアレルヤはそんなことを気にさえとめていないし、ティエリアは基本的に放任主義者だし、ハレルヤはそもそも我関せずを貫き通しているし。
 だから仕方なく、ロックオンは一人で訊きに行ったことがあったのだが……。
 その時のことを思い出して、ついつい苦笑いを浮かべる。
 確か返事は「俺はガンダムだから、仲間を集めるのは当然だ」という、実に電波っぽい物だったのだ。
 一体、どこで教育を間違えたのだろう……。
「……ロックオン?どうかしました?」
「え?いや、何でもない」
 ハッとすると、目の前に心配そうなアレルヤの顔があった。思わず思考に没頭して、手が止まっていたらしい。
 それに反省をして、ロックオンは再び段ボール箱のガムテープを外し始めた。
 まだまだ荷物はたくさんあるのだ。

(2008/07/13)


 ~お前は何をしているんだ編~

『で?無事にそっちには着いたのね?』
「はい。引っ越し作業も滞りなく進んでいます」
『そう……なら良かったわ』
 電話を右手に持ち、左手で文庫本を開きながら、ティエリアはベッドに腰掛けていた。椅子はまだ段ボールの中で、したがって座ることが出来る場所はここしかない……ワケではないが、ソファーに座るためだけにリビングまで行くのも馬鹿らしい。
 通話の相手はスメラギ・李・ノリエガ。一応、この家に住む五人の保護者的存在ではある。実際、唯一の成人であるロックオンが仕事でどうしようもないときなど、彼女に頼んで手続きなどといった、諸々のことをしてもらうことがあるから、その肩書きは間違いではないだろう。
『お隣さんはどう?いい人かしら?』
「まだ何とも。挨拶に回っている刹那・F・セイエイと、ハレルヤ・ハプティズムが返ってきていませんので」
『というか……挨拶に行くのがその二人っていうのは…かなり間違った選択じゃない?』
「しかたありません。四人で公平にクジで決めましたので」
 そう。四人で。
 アレルヤが基本的に家の家事全般を請け負うので、彼は挨拶に行かずに片付けをしなければいけなかったので、クジを引くメンバーからは除外されていたのだ。どこにどんな物があるかを、ちゃんと覚えてもらわなければこちらが困る。
 そこら辺は言わなくても分かったのだろう。スメラギは溜息を着いた。
『せめて、ロックオンを連れて行くべきでしょう…』
「今それを言っても後の祭りですね」
『それもそうだけど……そういえばティエリア、貴方はこうして電話をしていて良いの?片付けの手伝……』

 ぷちん。

 ティエリアは黙って通話終了ボタンを押した。

(2008/07/13)
 

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