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宇宙にて。
お留守番なお兄さんの話。
チビスターズ4
宇宙は暇だった。果てしなく暇だった。
欠伸をしながら通信端末を見る。
デュナメスは未だに整備中だし、トレミーの電池にならないといけないからしばらくは船にいなければならない。酷く退屈なことに。
普段なら、この平和な時間をじっくりと堪能できるのだろうが……あいにく、今はそういう気分ではない。一人だけ取り残されるというのは、なかなか悲しいものがある。いや、別に一人だというわけでもないが。スメラギもイアンも、クリスティナもラッセもリヒテンダールもいるし、何よりハロが傍にいてくれる。
ティエリアや刹那、たまにハレルヤなお騒がせな三人がいないのは、ロックオンの胃に優しい話ではあるが。それでもそこはかとなく寂しいわけだ。どんなに騒々しく思っていても、いなくなると存外悲しくなる。
通信端末で見ているのは、ハレルヤとティエリアのミッション予定地辺りの話。ようはニュースだ。連絡が入るまでは暇だから、こういうことをしないと時間を潰すことができない。読書をするのもいいのだが……多分、今は身が入らないだろうし。
……仲間はずれがこれほど辛いものだとは…。
他の人にはできるだけ、そうことをしないようにしようと決めながらも、ミッション予定地辺りでのニュースにCBの話が出てこないのを訝しく思う。すでにミッション開始時刻は過ぎている。それも、大幅に。
動きが……無いのだろうか?一応本拠地も分からないし、そうだとしたら打つ手は無い。さぞ、二人はイライラとしていることだろう。
そんな二人に介入される組織とかが可哀想に思えてくるが、それはそれ。自業自得なので同情の余地はない。せいぜい頑張ってあがいてもらうことにしよう。そうすれば、少しくらいは損害が減……るわけがない、か。なんせ、ミッションに対しては徹底主義のティエリアと、他人に対しては残虐非道なハレルヤだし。むしろ、二人のやる気を引き起こしてしまうことになりそうだ。
頑張れば頑張るほど被害が増えるという状況を考え、思わず苦笑いを浮かべる。だらけていても被害は大きいが、被害を減らそうと抵抗すると余計に増える。相手さんも大変に違いない。
などと思っていると、突然部屋の扉が開いた。
現れたのは……クリスティナだった。
「ちょっとロックオン、大変よ!」
「なんかあったのか!?」
「ちょっと端末貸して!」
ロックオンの手から抜き取られた端末が、とあるチャンネルを映し出す。
そこもまたニュースをしていて、場所は多分ユニオンの都市だ。
……ユニオンの都市?
「って、アレルヤたちがいるとこじゃねぇか!」
「そうなの!で、問題はこれ!」
差し出された端末を見直すと、映っていたのはとあるコンビニ。
『立てこもり犯は……』
そんな言葉の後ろ側で、透明ガラスの向こう側に微かに見えるのはピンクの髪に、二人の子供だった。
「フェルト!?アレルヤ!?刹那!?」
「なんか、巻き込まれたみたいなの!」
「ど、どうするこれ!?」
「スメラギさんには言ってるけど……」
「あぁ、もうデュナメスどうして動かねぇんだよ!」
「……ガンダムに乗って殴り込む気なの!?」
「当たり前だろ!?アレルヤ達の危機だぜ!?」
「……………よかった、デュナメス整備中で」
アレルヤのためですもん。そのくらいできますよ。
トレミーの人々が地上の出来事を知りましたよ編。
どうなるんでしょうか…。