忍者ブログ
式ワタリによる、好きな物を愛でるブログサイト。完全復活目指して頑張ります。
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。


果たして三話目にする必要があるのかはさておいて。

拍手再録です。




~いい加減に片付けましょう~

「各自、自分の部屋はちゃんと片付けたな?」
「問題ない」
「何とか終わったよ…」
「コイツと同じく。てーか物少なかったし一、二日で終わったっての」
「俺が義務を果たさないとでも思っているのですか?」
 最後のティエリアのセリフは、ここについて二日目に、自分たちがせっせと家族全員で使う日常品を段ボールから出している最中、ある意味保護者的立場(基本的にその役はロックオン自身がやる)にいるスメラギと電話をしていた彼には言われたくなかった。一番義務を果たしていないのは彼である。
 あの後に起こったことを思い出して、ロックオンは痛くなる胃を抑えた。
 そう……あの後、サボっていたことに対してキレたハレルヤがティエリアに突っかかり、恒例(といえるところが悲しいが…)のケンカ……もとい、大乱闘が始まってしまったのだった。…止めるのに凄く手間を掛けたのを覚えている。
 それ以来、大きなケンカが起きていないのが救いだろうか…。
「……じゃあ、全員、自室はどうにかしたってことでいいんだな?」
「それでいいんじゃねぇの?」
「お前……なんか適当だぞ?…じゃなくて」
 チラリと視線を背後に向けると、あぁ、と納得したような声が上がった。今からロックオンが何を言おうとしているかを理解してくれたらしい。
 瞳に映るのは、相変わらず無表情な刹那、苦笑しているアレルヤ、つまらなさそうにしているハレルヤ、今にもダッシュで待避(という名の逃亡)しそうな体勢のティエリア。……そんなに自分の事以外をするのが嫌なのか。
 それとなくティエリアの腕を掴んで逃げの一手を封じる。
 恨めしげな視線を軽くスルーして、口を開く。
「よし、んじゃこの段ボール片付けるぞ」
 背後には山積みになった段ボール。
 中身はほとんどがアルバムだとか何だとか、捨てられないし誰かの物というより家族全員の物、というのが入っている。だからこそ、こうして最後まで残ってしまったわけだが……こちらに引っ越してきてから早、一週間。そろそろ開けてやるべきだろう。
 
(2008/10/05)


 ~ようやく発見、参考資料~

「あー!」
 ネーナの叫び声に、ヨハンとミハエルはどうしたんだと振り返った。
 見れば、一冊の雑誌を持って、末の妹が固まっている。
「……ネーナ?」
「オイオイ、どうしたんだよ突然叫ぶとか」
「だって、だってさっ」
 コレ見て!と彼女が突き出したのは有名人の紹介コーナー。
 有名人、といっても期待の新人だとか長年のプロだとか、その幅は大分広いようだ。とりあえず適当に知られていたら有名人、としているようだが…。
 それよりも目を引いたのは、そこに載っていた写真だった。
 映っていたのは隣に引っ越してきた刹那。どうやらいきなりの撮影だったらしく彼の顔は驚きに満ちており、写真の端にはハレルヤとアレルヤまでもが映っていた。
 人違いは無いだろう。一週間も前に越してきて、しばしば近所交流をしているのだから。
「いつもなら見て、その後本物見ても分からないくらい完全に忘れちゃんだけどね」
 人気少年モデル。その文字を眺めながらちょっとばかり呆然としている自分たちに、ネーナは語るように呟く。
「確か、この記事が載った後にこのコーナーが廃止になったの」
「だから印象に残ってたってわけか」
「……それはつまり、彼の手によってコーナーが潰されたと?」
「分かんないけど、キッカケの一つ…みたいなものかなぁとか思うんだけど」
「そうか…」
 だとしたら妙な気もする。
 彼なら突然の取材でも、内心はどうであれ素直に応じると思うのだが…いやまぁ、確かにこのときも応じてはいるが、その後に報復のようにコーナーを、というのは無いだろう。潰す気ならば応じることさえしないと思われるので。
 たったの一週間、されど一週間も、である。それだけ付き合えば、ある程度の性格や考え方は分かるという物。
 もし仮に彼によるものだとしたら、それは彼以外の要因があると考えるべきだろう。
 さて、それは何だろうと思いながら、偶然映ってしまったらしい双子の姿を見る。
「何というか……考えるまでもない話な気がするな…」
 ビックリした様子のアレルヤと、露骨に顔をしかめているハレルヤ。
 ……何かやったとしたら、間違いなくハレルヤの方だろう。おおかた、アレルヤの姿が名も姿も知らない他人に見られるのが気に入らないとか、そういうブラコン的理由で。

(2008/10/05)


 ~00:CB家 保護者(仮)の心配~

「心配だわ……」
「スメラギさん、どうかしました?」
「いえ…クリスティナ、あの五人のことなんだけど」
 その言葉だけでピンと来たらしい。
 クリスティナはあぁ、と苦笑した。
「今頃、ケンカでもしてるんじゃないですか?」
「ロックオンとアレルヤがいるから、まだ大騒動にはなってないんだけど…」
「けど?」
「私の戦術予報士としての勘が告げているの、そのうちあの二人が何かしでかすって…」
「いや、スメラギさんは戦術予報士じゃなくて天気予報士ですよ?」
 冷静な彼女のツッコミも耳に入らず、スメラギはただ引っ越していった例の五人組の現状を予測できる限りで予測する。
 そして結論。
「あと数日間は安全地帯…ね」
 生活が安定するまでは片付けだとかご近所に馴染む(あまりそんなことをしそうにないのも数名いるけども…)とかで忙しいから、きっとそんな余裕はない。
 けれど、その先が。
 そこまで思って、そして。
「…ま、いっか」
「早ッ!諦めるの早ッ!」
「だってぇ、よくよく考えたら私が出来る事って一つもないし、遠いし、そもそもあの二人…ティエリアとハレルヤが私の言うこと聞いてくれるわけ無いし」
 というワケで。
「さー、考え事も片付いたし、お酒飲むわよお酒―!」
「スメラギさん、もっとちゃんと考えてください!それからお酒はダメですってば!」
「いいじゃない、昼酒じゃないんだし」
 そう言って、スメラギはクリスティナの制止を振り切ってビールの缶を開けた。

(2008/10/05)
 

PR
この記事にコメントする
お名前
タイトル
文字色
メールアドレス
URL
コメント
パスワード   Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字
この記事へのトラックバック
この記事にトラックバックする:
カレンダー
04 2024/05 06
S M T W T F S
1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31
カウンター
プロフィール
HN:
式ワタリ
HP:
性別:
女性
自己紹介:
ガンダム大好き生物。キャラも好きですが、機体も大好きです。実は(?)、今は軽く三国伝にすっ転んでます。
最新CM
[09/28 ナワ]
[06/15 オシロマミ]
[11/02 banana]
[11/02 式ワタリ]
[11/01 犬っぽい]
最新TB
バーコード
ブログ内検索
フリーエリア
忍者ブログ [PR]