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アルケー強いよアルケー。あ、アルケーというのはツヴァイの進化形な、アリーさんの乗っているあの機体です。



「あぁぁぁぁ本気でゴメンなダブルオー!」
「気にするな……というか戦闘中に謝るな。やりづらい。そしてオレはエクシアだ」
「え……エクシア?」
「それこそ気にしてはいけないぞ、アルケー。そいつは間違いなくダブルオーガンダムだ」
 海上での戦闘中、パイロットたちが本気で戦ってる中悪いのだが……セラヴィーたちは、こんな感じで言葉のやり取りを続けていた。旧知と戦うのは本当にやりづらい。
 にしても、どうしてアルケーはここまで謝りっぱなしなのだろう……と考えて、既に結論は出ていた。バカではあっても頭が悪いワケではない彼のことだ、多分、この後の事を予想しているのだろう。
 だから、とりあえず訊いて確認してみることにする。
「アルケー、どうして先ほどから謝ってばかりいる?」
「え?いや、だって、もし間違ってお前らのマイスター殺しちゃっても……お前らって死なないから俺のとこに報復来るよなー、っていうな?」
「……やはりか」
 まぁ、謝られたとしても報復はするが。
 うっそりと笑うと、アルケーの怯えた声。
「な……今、何思ってる?」
「貴様をどう料理してやろうかと」
「……うわぁ…今すぐ帰りてぇ…」
 ただならない怯えようが不思議で、何かしたかと考えてみる。
 だが、いくら考えても答えが出ない。
 心当たりが多すぎた。
 これではどうしようもない、と溜息を吐きながら、直撃を受けたために起きた衝撃と痛みに眉をしかめる。二対一で数ではこちらが有利ではあるが、やはり相手のパイロットが優秀すぎる。ティエリアも、もちろん刹那も操縦が下手だとは言えず、むしろ上手だとは思っているが……相手は、経験と腕が違う。
 勝てないな、と直感した。
 このままでは勝てない。トランザムを使えばどうにかなるかもしれないが、それすらも怪しいほどに相手は強かった。
 ここは相手が仇であれどうであれ、とにかく退却するのが打倒だろう。相手が何を隠しているかも分からないのだから、体勢を立て直す事が必要だ。
 だが、それを今のティエリアが思うかどうか。
「思わない……だろうな」
 冷静な判断が出来ないほどに、頭に血が上っている。
 それはどうやらダブルオーのマイスター……刹那も同じようで、つまり、この戦いは。
「誰かが止めに来るか…どちらかが倒れるまでは終わらない……か?」
「その意見に同感だ、セラヴィー」
 ダブルオーの賛同を受け、セラヴィーはゆっくりと目を閉じた。
 先ほどから、無視が出来ないほどに体中が痛いのだ。全く……ティエリアも無茶をしてくれる。もう少しくらい自分たちのことを考えてくれても良いと思うのだが、それは前から諦めているので言いもしないし言おうとさえ思わない。言えたとして、言ったところで何も変わる事は無いだろう。
 出来れば誰かが止めに来てくれることを望むのだが……
 そう思った、その時。
「ダブルオー!セラヴィー!…大丈夫!?」
「お前ら傷だらけ…ってアルケー!?」
 援軍が来た。
 タイミングの良さに安堵しつつ、新たに登場したケルディムとアリオス、そしてアルケーの様子に注目する。どうやら……ここで会う前に、どこかで会っていたようだが。
 アルケーも驚いたよう二人に意識を向けていた。
「何でここにいんの?さっきまで兄貴んとこで茶とか飲んでなかったか?」
「あ、あれは待機中で暇だったから……こっそりと抜け出て来ただけで…」
「そういうことだ。発進するってことで、俺らもこっちに来た。それだけだ。で……お前、俺らの方と戦ってんのか……?」
「俺は報復が怖いから本当は嫌なんだっての!」
 そんなアルケーの叫び声に呼応するかのように反転する機体。
 どうやらパイロットのアリー・アル・サーシェスが撤退を決めたらしい。
 通信から聞こえていた彼の声には戦闘に対する高揚感、興奮……そういうものがしっかりと色濃く出ていたのだが、やはりベテランの戦争屋、どんな時でも冷静な判断は出来るようだ。そこは素直に認めるべきだろう。
 去っていく赤い機体を眺めて、ほう、と安堵の息。
 いくら死なないからと言って、本体が破壊されるときの痛みを味わいたいとは思わない。
「アルケー……報復が怖いとか言っていても…パイロットに従ってるのか」
「凄いね……僕だったら、怖かったら逃げるよ…?」
「あぁ、そこはアイツにも自覚があるってことだろ」
 ダブルオーとアリオスの呟きを拾うケルディムの言葉に、セラヴィーは耳を傾けた。
「俺たちが戦う存在で、それ以上でも以下でもないって事を」
 それは、どうしようもなくどうしようもない、絶対の真理だった。





生き方を選べる私たちって、結構幸せなんじゃないだろうか。
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