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ようやくマリーも登場。
…アンドレイとか、リヴァイヴとか、クラウスさんとか、出してあげたいキャラたくさんいるけどなぁ…手が…回らないんだぜ…。



 刹那は我が目を疑った。
「……ソーマ・ピーリスが二人……?」
「違います」
 呆然と呟くと、隣から涼やかな否定の声。
 見れば、憮然としているソーマ、苦笑しているアレルヤ、不機嫌そうなハレルヤの様子が目に映る。窓際のテーブルに座っていた(本当にテーブルに座っている)リジェネは興味深そうにこちらを観察していて、ティエリアは動じもせずに本へと視線を落としている……ように見えるが、ちらちらとこちらを窺っているところ、気にはなっているのだろう。ならちゃんと見れば良いのに。
 何でここにロックオンとライルがいないのだろうと、ふと、刹那は思った。こうしてそっくりなのが随分揃い踏んでいるというのに。仕事だから仕方がないが。何よりも、どうしてこんな中に一人、自分がいるのだろうと言う方が強いが。自分にそっくりさんはいない……ハズなのだが。
 とにかく、と刹那はソーマそっくりの、途美学園の女子制服を身に纏っている少女の方へと意識を戻した。今は彼女、だ。
 注目の的である彼女は、ニコリと微笑みを浮かべたままで、こちらに向かってきて……ぎゅっと。
「会いたかったわ、アレルヤ!」
「久しぶりだね、マリー」
 ソーマの横を素通りして、アレルヤに抱きついた。
 知り合いだろうとは思っていたが……これは……この状況は少々いただけない。刹那はスッと目を細めつつ、素速く後ろに下がった。自分も何らかのリアクションを起こしたかったが、ハレルヤとソーマの目が据わっているのが視界に入ったのだ。このままアレルヤの近くにいたら危ないと、心のどこかで警鐘が鳴っている。
「オイ……アレルヤから離れろ」
「そうだ、マリー。今回ばかりはハレルヤが正しいぞ」
 べり、とマリーというらしい少女の襟首を掴んでアレルヤと引きはがすハレルヤと、その隙にアレルヤの腕に抱きつくソーマ。普段は全く協調性のない二人なのに、こういう時の団結力は素晴らしい。
 そんな二人は、同時に宣言した。
「アレルヤは俺のだ」
「アレルヤは私のだ」
 内容が内容だったからか、今度は言い終えた二人が睨み合いを始めた。先ほどの団結は仮初めの協定だったらしい。分かり切っていたが、と刹那は心中で呟いた。日頃の二人を見ていれば、否が応でも分かるというものだ。
 しばらくの、沈黙とピリピリとした空気を伴った硬直状態。
 破ったのは、当然ながらマリーだった。
「二人とも、何を言っているの?」
 そしてソーマとは反対の腕に抱きついて、言った。
「アレルヤは私のよ」
 それが引き金だった。
 ハレルヤ、ソーマ、マリーの三人は、それぞれがそれぞれ、負けないという意思と、対象二人に対しての敵意を持ち、向かい合った。
「テメェらなんかに俺の大切な片割れをやれるかッ!」
「煩い!貴様のようなチンピラに任せられるワケがないだろう!」
「ダメよ二人とも。二人とも穏やかじゃないから、やっぱり私が一番相応しいわ」
「あの……僕の意見は…」
「俺の方がアイツのことは分かってる!」
「私の方が貴様よりしっかりしてる!」
「私の方が彼との相性が良いわ!」
「ねぇ…」
「とにかくテメェらには渡せねぇ!」
「それはこちらのセリフだ!何が何でも貴様の手から奪い取る!」
「そうよ!ソーマにもハレルヤにも渡さないわ!」
「……うん、いいや…」
 肝心のアレルヤの声が届かない状況に、当の本人はガクリと肩を落とした。状況の収拾や説得を諦めたらしい。賢明だと思う。
 いつの間にか解放されていて、へなりと床にへたりこんで手をついている彼の隣に座り、刹那はポンと肩を叩いた。
 というか、アレルヤを渡したくないのは自分も同じなので、この隙に……とも思ったが、止めた。こういうのはやはり当人次第だろう。それに、無理に連れて行っても心情を理解してもらえるとも思わない。彼は超をいくつ付けても足りないほどの天然なのだ。
 だが。
「三人とも三人の世界だねぇ。この隙に、僕がもらっちゃおうかな?」
「そんなマネを俺が許すとでも?君を倒して俺がいただく」
 ……そう思わない相手もいるわけで。
 立ち上がる二人を目の端で捉え、刹那はさっと立ち上がってアレルヤの腕を掴んだ。
 キョトンとしているアレルヤを立たせて、手を引いて走り出す。
「ここにいたら危険だ!逃げるぞ!」
「え?えぇ!?」
 状況を理解していない彼に、説明を与える暇もない。
 立った二人と言い争っていた三人もこちらに気づき、追いかけてきたからだ。
 ともかく、今は彼を逃がさなければ。
 その決意を胸に、刹那はアレルヤと共に寮を出た。
 ……マリーという少女については、後で説明をもらおう。





本当、説明をあげないと刹那は事情が分かりませんよね。
ソーマとマリーは双子。マリーはしばらく学園外にいましたので刹那は知らないのです。
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