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何だか、どんどんお題が難しくなっている気がする…。
お題って言うか、もうこじつけの域だなぁ…全体的に。
こんかいはSEED組なみなさま。
20:タンス
インフィニットはぐるりと室内を見渡し、誰もいないことを確かめた。
それでも何だか不安だったので、ドアを細く開いて隙間から覗き見てみたが……廊下には、やはり何の気配もない。
こうしてようやく安堵して、ゆっくりと、目的の物が収められている場所へと向かう。
そう。一つのタンスの元へ。
タンスの前まで来たインフィニットは、慎重に、しかし出来うる限りの素速さで二段目の棚を引っ張り、そして。
「インフィニット何やってるの!?」
「っ…」
そこで、ストライクフリーダムが現れた。
ドアを開いてまで確認したのに……どうやら、彼は角に隠れて見えなかったらしい。あと自分が、慎重にしすぎて行動のスピードがでなかった…というところか。
失敗した…と少し悔いる気持ちはあったが、過去より現在、である。
インフィニットはそのまま『目的の物』をタンスから取り出し、ストライクフリーダムがいない方の出口……つまり、窓の方へと向かう。ここは二階でも三階でもなく一階なので、飛び出たところで人間になっていたとしても支障はない。
しかし。
「痛ッ!?」
突然に窓の外に出現した板によって、それは阻まれてしまった。
しかも勢いよく飛び出ようとしていたので……見事に直撃。鼻の頭がヒリヒリするし、ヘタしたら鼻血が出そうな感じだ。自業自得なのは分かるが、せめて、もっと別の止め方というのはなかったのだろうか。
止め方…その言葉を思い浮かべてハッとする。
そう、自分は止められたのだ。この板に、逃走を。
では、逃走を止めたのは一体?
鼻の頭を押さえつつ、涙目で窓の方を見ていると、そこから入ってきたのは一人の女性……ストライクルージュ、だった。
「ル……ルージュ…!?どうして!?」
「張っていて正解だな…見ろ、ストライクフリーダム、やっぱり耐えられなくなっただろう、コイツは」
「だねぇ……うん、想像は付いてたけど、想像よりも早かった」
呆然と二人の話を聞いている内に分かったこと。
それは、どうやら自分の行動が読まれていたのだ、ということだった。
インフィニットはそれを悟って、ガクリと床に膝をついて手をついた。
「折角、今回は出し抜けると思ったのに…」
「昨日の攻防戦を私が忘れると思ったのか?」
「インフィニットとルージュ、凄かったよね……『それ』を巡って、本当に凄い争いというか決闘というか決戦というか……」
昨日の有様を思い出しているのか、若干顔を引きつらせているストライクフリーダムから視線を外し、立ち上がってインフィニットはルージュを見た。
完全なる敗北だった。
差し出された細く白い女性の手に『目的の物』…つまり、ストライクフリーダムの言う『それ』を渡す。
「ようやく諦めたか」
「あぁ…君には勝てそうにないから」
呆れ混じりの言葉に首肯を返し、少し落ち込みながら未練の残る目で『それ』を眺める。
「一個でもダメなんだね?」
「当然だ!お前は一個でも始めたら、絶対に次々に作り出すっ!」
「…ストライクフリーダム」
「ボクに弁護を求めても無理だよー…だって本当のことだし…」
「そうか…」
やっぱり、諦めるしか無いようだ。
はぁ、と息を吐いて『それ』……工具のセットに視線を向けた。
「ハロの一つや二つ、別に増えたって構わないじゃないか…」
「あぁ、一つや二つだったらな。だが、インフィニット、お前がそれだけで済ますとは到底思えない!私は妥協しないからな!」
ビシ、と指を突きつけられ、今度こそ完全に観念した。
こんなに混乱する現状はないから、ハロを作って精神を落ち着かせようと思ったのだけど……まぁ、重量オーバーで戦艦が飛ばなくなっても困るから、これで良いのかもしれない。
インフィニット、またハロを作りまくってくれない物か…。
ていうかブリッツ出てないよブリッツ…。