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拍手再録です。ユニオンです。
食後の後に、果物を取るのは良いことだとは思う。栄養などの点から考えても、無いよりはあった方が良いとは思う……のだけれど。
「グラハム……どうしてオレンジしか食べないんだい…?」
食事中に食べていたのがブロッコリーだったり、ブルーハワイ味のシロップを飲んでいたり(なだめすかして、何とか水で割ってもらった)、日本の方のライスをスプーンで食べていたり……と、そんなことがあったので、何となく分からなくはないのだが。
呆れ顔でカタギリが見る中、彼はオレンジをテーブルにおいて、フッと笑った。
「それは当然、ガンダムの色だからだ!」
「……やっぱりか…」
寸分違わず予想道理の答えで、思わずカタギリは溜息を吐いた。
そしてふと思うのだが……果たして、こんな彼がユニオンのエースで良いのだろうか……?実力が抜きん出ているのは、しっかりと理解しているつもりだ、が……こういう場面ばかり見ていると、何だか他の隊員に申し訳ない気持ちになる。
テーブルに山積みにされているグレープフルーツを手にとって、グラハムに差し出してみる。こちらもいい加減に消費してもらわなければ。
「グラハム、こっちは食べないのかい?」
「生憎だが」
しかし、残念そうにグラハムは首を振った。
「そちらより、こちらの方が色合いが似ている」
「……あぁ、うん、そういえばそうだねぇ…」
昨夜、彼に頼まれてガンダム全四種の模型を作ったばかりのカタギリである。塗装まで自分でやったので、そのあたりはよくよく分かっている。間違えるとグラハムが煩いのだ。
とりあえず、彼の主張は分かったが。
「そういうワガママは聞けないね。いいかい?オレンジ一つにつきグレープフルーツ二個くらいは消費してくれるかな?全部、君が頼んだんだからね」
「だが、私は……」
「……今度、銃撃戦タイプのガンダムの模型、もう少し大きいのを作ってあげるから」
「分かった。オレンジ一つにつきグレープフルーツ二個だな」
くるりと鮮やかに返された手に苦笑して、カタギリは頷いた。
「そうだよ。だからまぁ…頑張ってね」
(2009/01/04)