式ワタリによる、好きな物を愛でるブログサイト。完全復活目指して頑張ります。
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今回は、滞在許可をスメラギさんに求めに行く話です。
でも、求めに行くのが彼女へという時点で、もうどうなるかって分かりますよね。
「…というわけなんですけれど、この六人の少しの間の滞在を許可してくれませんか?」
と、突然に見も知りもしないどこかの誰かを連れてきて頭を下げたオッドアイの青年に、トレミーの戦術予報士は目を丸くした。ただ今行われた事情の説明の方に対してではなく、イノベイターがここに来た理由によって。
敵でやり口などを見ているので、ちょっと嫌な人たちねぇ、とか思っていたのに、何かその理由を聞くとそれほど嫌いなキャラクターでも無いような気がする。むしろ微笑ましいような。それは……そう、意外な子供っぽさ(?)に毒気を抜かれる、ということで。
自然と緩む頬に危機を察知したのか、ティエリアがスッと目を細めた。
「スメラギ・李・ノリエガ……まさかとは思いますが」
「え?別に数日なら良いんじゃない?」
「良くないから貴方の所に来たんです!」
叫ばれて、あぁ成る程ねと心中で頷く。アレルヤとイノベイターたちをスメラギの部屋に連れてきたのはティエリアだ。そして事情説明の後、どうするべきかの判断を委ねると言ったのもまた。それには恐らく、自分ならばちゃんとした判断を下して滞在を拒否し、同時にアレルヤを説得することも出来るだろうと考えたから、なのだろう。
が。
生憎、自分は楽しいことは嫌いではないのだった。
「大丈夫よティエリア。貴方たちで見張ってればいいことでしょう?」
「それにどれほどの心労が必要か分かっているのか……?」
腕を組んで難しい顔をしているのは刹那。彼の恨みの籠もった視線の先は、もっぱら柔らかそうな薄い緑の髪の青年。彼はイノベイター関係で腕を撃たれた上に傷は完治しておらず、ならばこの青年が元凶たる存在なのだろう。
しかし、だとしても……彼に対しては魔法の呪文がある。
「刹那」
「……何だ」
「貴方、ガンダムでしょ?」
「……っ!」
ニコリと笑顔で話し掛ければ、衝撃を受けたようによろめく刹那。
ソーマは訝しげな表情をしているが、ティエリアはハッと何かに気付いたような表情をしていた。彼は、この言葉がどれ程までに刹那へと影響を及ぼすか分かっている。
だが、今気付いたのだとしても、遅い。スメラギは追い打ちをかけることにした。
「なら、そのくらいは我慢できるわよね?問題ないわ。貴方なら監視もちゃんと出来ると信じているから。だって、ガンダムでしょう?」
「俺が……ガンダム…」
刹那の目がどんどんと虚ろになっていく。まるで催眠術にかかった人間のよう。
というわけで、ダメ押し。
「えぇ。期待してるわ、刹那・F・ガンダム」
「俺が……」
呟いて、そして……刹那はフッと崩れ落ちた。
「刹那!?」
「さーて、一人片付いたわね」
ニコリと微笑んで次は、慌てて刹那を支えるティエリアを見、それからキョトンとしているアレルヤの方を見る。
「そういうわけだから、そうねぇ……明日までなら良いわ」
「本当ですか!?」
「えぇ。ただし、その間は私たちは彼らから情報を引き出すこと、それから私たちから貴方たちも情報を引き出すことを禁止するわ。互いにCBとして、イノベイターとしての活動を休むことにしましょう。一般人みたいに、平和にね?」
それが、最小限の条件だった。
そもそも、敵と味方が入り混じって生活することは難しいのだ。なのにそれを行うのであれば……やはり、互いが互いの利害を損ない合わないような状況が必要となってくる。ならば話は簡単だ。利害が動かないような状況を作ればいい。
「それが守れないのならそうね、今すぐ帰ってもらうわ」
「他よりは君は、どうやら話は分かるようだけれど……大人しく僕らが人間の言うことを聞くと思っているのかい?」
「言うことを聞くならアレルヤをその間は貸し出すわ」
「えぇぇぇぇ!?ちょっとスメラギさん!?」
「そのくらいの条件、呑むのは簡単さ」
「リボンズもそんなあっさりと!?」
焦っているアレルヤと、さらりと手のひらを返したイノベイターに苦笑を浮かべ、と、そこでスメラギはとある問題があることを思い出した。
寝床の問題である。
こればかりはアレルヤ一人に任せるのは難しい。まさか、アレルヤの部屋に六名のイノベイターを全員放り込むわけにもいかないし。だからといって開いている部屋に全員を入れていれば監視の目が無くなる。それはスメラギは問題ないと踏んでいるが、ティエリアやソーマ、それに他のクルーたちが断固として拒否するだろう。
だからどうにかしなければ、ということなのだが。
「……まぁ、その時はその時ね」
「何か言いましたか?」
「いいえ、何でもないわ」
訝しげにこちらを見たソーマにヒラリと手を振り、スメラギは話は終わりと戸を閉じた。
あちらはあちらに任せて、自分はのんびりと一人の酒盛りの続きをするとしよう。
そういえば最近、スメラギさんが酒を飲む場面を見ていない気がします。
と、突然に見も知りもしないどこかの誰かを連れてきて頭を下げたオッドアイの青年に、トレミーの戦術予報士は目を丸くした。ただ今行われた事情の説明の方に対してではなく、イノベイターがここに来た理由によって。
敵でやり口などを見ているので、ちょっと嫌な人たちねぇ、とか思っていたのに、何かその理由を聞くとそれほど嫌いなキャラクターでも無いような気がする。むしろ微笑ましいような。それは……そう、意外な子供っぽさ(?)に毒気を抜かれる、ということで。
自然と緩む頬に危機を察知したのか、ティエリアがスッと目を細めた。
「スメラギ・李・ノリエガ……まさかとは思いますが」
「え?別に数日なら良いんじゃない?」
「良くないから貴方の所に来たんです!」
叫ばれて、あぁ成る程ねと心中で頷く。アレルヤとイノベイターたちをスメラギの部屋に連れてきたのはティエリアだ。そして事情説明の後、どうするべきかの判断を委ねると言ったのもまた。それには恐らく、自分ならばちゃんとした判断を下して滞在を拒否し、同時にアレルヤを説得することも出来るだろうと考えたから、なのだろう。
が。
生憎、自分は楽しいことは嫌いではないのだった。
「大丈夫よティエリア。貴方たちで見張ってればいいことでしょう?」
「それにどれほどの心労が必要か分かっているのか……?」
腕を組んで難しい顔をしているのは刹那。彼の恨みの籠もった視線の先は、もっぱら柔らかそうな薄い緑の髪の青年。彼はイノベイター関係で腕を撃たれた上に傷は完治しておらず、ならばこの青年が元凶たる存在なのだろう。
しかし、だとしても……彼に対しては魔法の呪文がある。
「刹那」
「……何だ」
「貴方、ガンダムでしょ?」
「……っ!」
ニコリと笑顔で話し掛ければ、衝撃を受けたようによろめく刹那。
ソーマは訝しげな表情をしているが、ティエリアはハッと何かに気付いたような表情をしていた。彼は、この言葉がどれ程までに刹那へと影響を及ぼすか分かっている。
だが、今気付いたのだとしても、遅い。スメラギは追い打ちをかけることにした。
「なら、そのくらいは我慢できるわよね?問題ないわ。貴方なら監視もちゃんと出来ると信じているから。だって、ガンダムでしょう?」
「俺が……ガンダム…」
刹那の目がどんどんと虚ろになっていく。まるで催眠術にかかった人間のよう。
というわけで、ダメ押し。
「えぇ。期待してるわ、刹那・F・ガンダム」
「俺が……」
呟いて、そして……刹那はフッと崩れ落ちた。
「刹那!?」
「さーて、一人片付いたわね」
ニコリと微笑んで次は、慌てて刹那を支えるティエリアを見、それからキョトンとしているアレルヤの方を見る。
「そういうわけだから、そうねぇ……明日までなら良いわ」
「本当ですか!?」
「えぇ。ただし、その間は私たちは彼らから情報を引き出すこと、それから私たちから貴方たちも情報を引き出すことを禁止するわ。互いにCBとして、イノベイターとしての活動を休むことにしましょう。一般人みたいに、平和にね?」
それが、最小限の条件だった。
そもそも、敵と味方が入り混じって生活することは難しいのだ。なのにそれを行うのであれば……やはり、互いが互いの利害を損ない合わないような状況が必要となってくる。ならば話は簡単だ。利害が動かないような状況を作ればいい。
「それが守れないのならそうね、今すぐ帰ってもらうわ」
「他よりは君は、どうやら話は分かるようだけれど……大人しく僕らが人間の言うことを聞くと思っているのかい?」
「言うことを聞くならアレルヤをその間は貸し出すわ」
「えぇぇぇぇ!?ちょっとスメラギさん!?」
「そのくらいの条件、呑むのは簡単さ」
「リボンズもそんなあっさりと!?」
焦っているアレルヤと、さらりと手のひらを返したイノベイターに苦笑を浮かべ、と、そこでスメラギはとある問題があることを思い出した。
寝床の問題である。
こればかりはアレルヤ一人に任せるのは難しい。まさか、アレルヤの部屋に六名のイノベイターを全員放り込むわけにもいかないし。だからといって開いている部屋に全員を入れていれば監視の目が無くなる。それはスメラギは問題ないと踏んでいるが、ティエリアやソーマ、それに他のクルーたちが断固として拒否するだろう。
だからどうにかしなければ、ということなのだが。
「……まぁ、その時はその時ね」
「何か言いましたか?」
「いいえ、何でもないわ」
訝しげにこちらを見たソーマにヒラリと手を振り、スメラギは話は終わりと戸を閉じた。
あちらはあちらに任せて、自分はのんびりと一人の酒盛りの続きをするとしよう。
そういえば最近、スメラギさんが酒を飲む場面を見ていない気がします。
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