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異郷、とかあるけど話とはあまり関係ないかも。
花見&刹那の誕生日話。祝えているかは正直微妙…って、そんなんばっか。

とにかく刹那はぴば!



 四月と言えば桜の季節だと学んだのは四年前、東京のマンションの一室を借りていた頃の話だ。だからといって沙慈だとかに聞いたわけでもなく、全ては何も聞かなくても色々と喋るスメラギからの受け売りなのだが。
 そして、どうやら四月はそれだけの月でもないらしい。
 曰く、誕生の月だそうだ。
 誰のかと言われれば、それは。
 自分の、らしい。

「というわけで、毎年春恒例の酒飲み大会……じゃなくて花見兼刹那の誕生祝いのドンチャン騒ぎを開始するわよー!」
「アンタ、ただ酒が飲みたいだけだろ…?」
 満開の桜の下、大きめのシートを敷いた上にいるのは自分たち、CBのメンバー。
 スメラギの言うとおり、花見というのは毎年恒例の行事と化していた。それはまぁ、艦の最高責任者……とも違うだろうが、何というか、そう、まとめ役である彼女が祭好きである時点に恒例になると決まっていた事柄かもしれない。
 そのスメラギだが、酒瓶を片手に立って笑っていた。頬はほのかに赤く、見た目から『酔ってます』という感じだった。全員が集まる前から酒を飲んでいたのだから、できあがっていたとしてもそれは当然だろうが。どちらにしろ、ライルくらいにツッコミを入れられても同時はしなかっただろう、それは間違いない。
 相変わらずだとため息を吐いて、グラスに注がれた透明な液体を口に流し込む。
 酒、ではない。スメラギだけでなくイアン、ラッセなどにも飲まされかけたが、こんな所に来てまで酔う気はなかった。公共の場で酔ってしまえば、奇行なんて隠しようもなく広まってしまうではないか。別に自分に酔ったら奇行に走る性質があるとか、そういうワケではないのだが。
 そうしてチラリと傍に置いてある、電源がついた通信機を見やってもう一度息を吐いた。
「お前も大変だな」
『もう慣れた』
 そこに映っているのはティエリア。肉体が破壊されたがヴェーダ内に意志を移すことが出来た彼は、たまにこうやって呼び出しをくっては振り回されている。騒動が一段落付いたところだし休憩もしたいとは思うので、刹那は結構彼に同情的である。
 画面に映っているティエリアは諦めにも似た表情を浮かべ、大騒ぎが始まっている方へ視線を向けているようだった。そちらに同様に視線を向ければ、スメラギに思い切り絡まれているライルに、それを助けようともせずに見物しているミレイナ等々。
『…僕は、君たちよりも彼女といた時間が長い』
「あぁ…抜ける前の数日か」
『その時は大人しかったから良かったがな、君がマイスターに選ばれる前までの期間もあったんだぞ?……そちらの方が酷かった』
 確かにそれはそうかもしれない。よく考えれば『抜ける前』と言えば、国連軍に負けた直後の話である。そこでテンションが高いままというのは色んな意味で無理だろう、きっと。特に彼女とかは。
「でもゴメンね、ティエリア。僕らも止められたら良かったんだけど…」
『気にするな。楽しくないわけではないからな』
「……なら良いけど」
 ティエリアの通信機が無い方の隣に座っていたアレルヤが安心したように笑い、こちらはちゃんと酒の入ったグラスを傾けた。彼は付き合いが良いというか押しに弱いから、強引にでも押し切られたのだろう。
 大変だと思いながら、刹那はさり気なくティエリアの通信機をシートの上で滑らした。
 結果。
「あらぁ?ティエリア、どうしてここにいるの?」
『刹那っ!一体何のつもり…』
「刹那のせい?…まぁ良いわ。それより貴方も飲みなさいよー」
『…飲めと言われても体がない上に、今の僕はこの通信機そのもののような物だが?』
「じゃあそうねぇ……通信機にお酒をぶっかけてみましょうか」
「ちょっ…アンタ完全に酔ってるだろ!?んなことしたら壊れるってのー!」
 …何とも面白いことになった。
 成る程、こういうことになるのかと思いながらグラスを傾ける刹那の横で、アレルヤは目に見えてオロオロとし始めた。向こうに介入に行くか考えているのだろう。
「放っておけばいい。スメラギもティエリアで遊べるのが楽しいんだろう」
「うん、そこは分かるけど……けど今、君」
「気のせいだな」
「えぇ…?いやいや、でもさぁ……」
「気のせいだ」
「……そうなの?」
 強く言い切ると、やや悄然としない様子ながらもアレルヤは怖ず怖ずと引き下がった。
 実際、気のせいではないのだが。しかし理由をと訊かれても答えられそうになかったのだから仕方がないではないか。本当に『何となく』という理由が存在するのだと、身をもって理解した一瞬だった。
 にしても、ととても楽しそうな面々を見て思う。
 絶対に全員、花見のことしか覚えてないだろうこれは。刹那の誕生日とか確実に忘れてるに違いなかった。後日に『あぁそういえば』と思い出すクチだ。
 むしろそちらの方が気楽だから良いと、刹那は思った。
 こうやっている時間が、風景が、自分にとってはかけがえのない「     」だから。





刹那にとって仲間ってとっても大切な物だと思うので。

ともかくおめでとう!誕生日おめでとう!
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