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「ハロの探知能力を使えば、ヴェーダの居場所は分かるよね。そこに行って真偽を確かめるのがベストだと、思うんだけど」
「待ってくださいです。ハロはそのヴェーダさんという人を知らないですよ?」
「うぅん、識っているから問題ない」
「…?どういうことです?」

 二人の会話を聞きながら、反応をしなければと思った。同時に、今の自分にはそれが出来ないことも分かっていた。
 アレルヤの提案に、ハレルヤは衝撃を受けていたのだ。

 アレルヤの言う通り、それが一番適切な対応だ。事の真偽を確かめなければ自分たちは動けない。特に、自分は。

 しかしその場合、状況によっては自分はヴェーダに再会することになるのだ。
 ……それが、一番問題なのだ。

 どうしようとハレルヤは本気で悩んだ。困ったと言っても良い。
 実は、アレルヤには内緒にしてある事実がある。自分よりも、ヴェーダよりも先にあの時死んでしまった『彼』だったから識らない、教えていない事がある。

 ヴェーダの『魂』は未だに健在であるという事実。

「ハロの原動力に関する話になるんだけどね…話して良いかな、ハレルヤ…ハレルヤ?」
「……あ…な…何だ?」
「…どうかしたの?調子でも悪い?」
「……いや、そういうわけじゃねぇ」

 ただ、再会したらとやかく言われるのだろうと思っただけだ。
 何せ……彼女が死ぬときにとある鏡に彼女の意思を引っ付けたのは……独断だったから。

 もちろん引っ付けただけでは悪いからと色々と特典も付けた。そうでもしないと普通の鏡として処分されかね無いとも思ったし、そうなったら彼女の魂はかなり悲惨な事になる。目も当てられない状況になるに違いない。

 ちなみに特典というのは絶対に割れないようにすること、『世界』の事を全て知ること、時間を司る事。時間に関しては自由に操れるわけではなく、その場にあるだけで流れを歪める事が出来るだけだが。

 ここまでしたのだ、ある程度は許してくれるだろう。こちらとしても申し訳なくは思っているのだと多分、分かってくれるはず。
 分かってくれたとしても、完全に許されるかは分からないが。

「…で、ハロの探知能力はどうやって使うんだ?」
「ハロに頼むですう!そうすればハロだけでなくHAROも手伝ってくれるです!」
「そうなの?」
「はいです!HAROは弟思いなんです!」
「……そうなの?」
「……そうなのか?」
「そうなのです!」

 ハレルヤとアレルヤの懐疑的な視線にも精一杯頷くミレイナ。
 あの口と性格の悪いHAROが弟思い……絶対に嘘だと思ったのは、ここだけの話にしておくべきだろうか。

「えっと……じゃあ、ハロ、お願いできるかな?」
「マカセテ!マカセテ!」
「HAROも…」
「ヤンネーヨ!ヤンネ…」

 馬鹿にするように目を点滅させるHAROの言葉が『ドゴッ』という音と共に泊まった。
 ハロが、思い切り体当たりした結果だった。

「…シャーネーナ…シャーネーナ」
「わ…分かってくれて何より……なのかな」

 少々表情を引きつらせながら喋るアレルヤ。
 それを見ながら、やはり弟思いというのは間違いだろうと確信したハレルヤだった。
 

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