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 あまりに速い状況の展開に、ネーナはどうにか置いて行かれずについて行っていた。気を抜けば直ぐに置いて行かれるくらい辛うじて、だが。

 だって急展開すぎるではないか。何人かが返ってこなくて話し合っていて、そこで皆がどうしてだかアレルヤの事を忘れていると分かって、変だと思っていたら爆音とかが聞こえてきて、来てみたら戦闘があって、兄が倒れて、人形が倒れて、そうしたら人形のもう片方が別人格になって、挙げ句の果てには何か三人と二体がやって来るし。

 頭がパンクしそうだ。ていうかパンクしないのが奇跡な気分である。
 正直、人形が『ヴェーダ』と名乗った辺りから理解が微妙になってはいるが、それはそれだろう、きっと多分。

 それはともかく、とネーナはヨハンの方にだけ意識を向ける事にした。さっきけがをした兄だし、まだちょっと心配である。傷が治ったのは確認しているが、それでも心配な物は心配なのだ。

「ヨハン兄、けがの方は本当に何ともないの?」
「あぁ。完全に治っている。見るか?」
「うぅん、そこまで確認しなくても良いよ」

 この状況で嘘を吐くとは思えないから、ヨハンの言葉は間違いないだろう。
 ということは、ヴェーダとやらは本当に時間を巻き戻したという事か。
 そんな事が、出来るのか。

 あまりの出来事に呆然としている間に、ロックオンの所からこちらを向いたアレルヤが口を開いた。

「ネーナ、説明はまた後でするから、今はアリオス…あの倒れてる人形を守ってくれる?あれ以上損傷を受けたら酷い事になるから」
「え?あ…うん。傍にいる女の子は?」
「その子も一緒に。あ、それとね」

 付け加えるように言って、アレルヤは少し笑った。

「その子、イアンさんの娘さんだから」
「え……えぇぇぇぇぇ!?あの人結婚してたの!?」
「…ちょっと、その反応は酷いんじゃないかな」

 衝撃に思わず叫ぶと、アレルヤの笑みが苦笑へと変わった。
 しかし、だからといって驚いた事実が変わるわけでもなく、先ほどとは別の意味で呆然と少女を見て、アレルヤを見た。

「でも子供、凄く若……」
「そういうこともあるってことだよ。それから…ヨハンさん、怪我とかしてたんですか?」
「先ほど治してもらったが」
「そうですか…大丈夫そうです。放っておいても傷が復活とかは無さそうですね」

 ほう、と息を吐いて、と、と床を蹴ったアレルヤが落ち着いたのはハレルヤの隣だった。もう視線は敵らしい青年に向けられている。

 にしても、あの青年は何なのか。ティエリアそっくりに思えてしまうのは、果たして自分だけだろうか?……こんな思考は全然意味がないとは分かっているけれど。でも気になるのだから仕方ないという事で。

 そういえばティエリアも帰ってこないのだ。もしかしなくともあの青年が鍵を握っている、のではなかろうか。
 詳細を知らないから、いくら考えても分からないものは分からないが。
 ともかく、自分に振られた役割を果たすのみだ。

 完全に守りきってやると決めて、ネーナはヨハンから離れて少女の傍に寄った。
 少し彼女は震えていたが、突然戦闘に放り込まれたようだから当然か、と納得して。

 それから、少女の名前をちゃんと聞いていない事に思い至ったが、まぁ後で良いかとそれは後回しにする事にした。

 

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