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話が物凄く物騒な方向へ…。
ま、暗殺部隊だし良いよね、多分さ。
020:水
「そういえばさ」
池に貯まった大量の水を眺めながら、ベルフェゴールは昔を思い出していた。
「子供の時さ、双子の兄貴とかいたんだけど、邪魔だったから殺してさー」
「あらあら、物騒ね」
心の底からそんな事を思っているワケもないのに答えるルッスーリアに、そんなことないって、と始めから分かりきっていた返事を返した。このくらいで物騒だなんて冗談でも言う気はなかった。それは自分にとっては実に普通な事。
彼が持ってきたトレイに乗っていたカップを一つ、断りもなく取ってから椅子の背もたれにぐっと体重をかけた。
「それまでにさ、結構いろんな攻防やったんだよね」
「例えば?」
「食い物の中に下剤とか猛毒とか入れたり、睡眠薬飲ませて水に浮かべたり、テラスから突き落としたり、毒縫った針入ってる吹き矢で狙ってみたりとか。水に浮かべたときが一番惜しかったっけ」
「……アンタが今の性格に落ち着いた理由が分かる気がするわ…けど、池を見ていたのはそういう事?思い出してたのね」
「まーね。ちゃんと沈めてやれば良かったと今じゃ思うんだけどさー。ま、どうせアイツ死んでるけど。殺したし」
本当、死んでくれた時は清々した。ようやくうざったい、自分そっくりのアイツを消すことが出来たのだから。同じ顔が二つなんて気持ち悪い事態も、あの時に完全に解消したのだし。アイツが死んで良いことずくしである。
ただ、まぁ、今も生きていたらと思うこともある。
何もそれは昔が懐かしいわけではなくて。
今ならもっと残酷に殺せたかもと思う時があるから。
「…今思っても意味ねーけど」
「ベルちゃん?」
「何でもねーよ、オカマ。それより早く菓子出せ」
「マーモンが来たら、よ。ちゃんと揃ってからじゃないと出さないわ」
「うわ、オカマのくせにケチとか有り得なくね?」
ぶーぶーと不満を零せば、呆れたような嘆息が落ちた。
「貴方、だって出したら一人で全部食べちゃうじゃないの」
「王子なんだから当然だろ?」
結局ラジエルは生きてたけどね、あれのトリックが気になる…マジックカード発動、死者蘇生?いやいや、そんなバカな。これってどこの遊戯王。