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桜のお題、物凄く遅々と遅々と進んでますよねぇ…良いのかコレ。
もう少しあげれたら良いんですが。
05.未完成
「……どうして上手くならないんだ?」
「さてな」
「努力不足…ってワケじゃないのは分かるんだけどね…」
「気に病むな。伸び悩むことくらいあるだろう」
三者三様の返事を受け取り、ライルはあぁと天を仰いだ。
一人は思いっきり突き放して、一人は困ったような表情を浮かべ、一人は励ましてくる。後者二名はともかくとして、一番最初の反応は何だろうか。やっぱり、最初の方でからかいまくったのが問題なのかそうなのか。
だとしたら自業自得と言われるかもしれないが、ここまで放っておかれるくらい酷いことをした記憶は全くない……はず。
どうなんだろうと一瞬ほど自分の記憶を疑って、自分が疑ってしまっては意味がないと慌てて首を振った。そこはたとえ思い出せなくても思い出せても、そんなことはないと心の中で断定しておくべき物なのだ。
「今でも十分、上手いと言えば上手いんだけど……ライルはロックオンを目指してるんだよね?」
「あぁ」
アレルヤがここで言っている『ロックオン』はニールだろうと見当を付け、ライルは首を縦に振った。彼の言う通り、自分が目指しているのは『ロックオン・ストラトス』だ。だからこそ、兄と同じ命中率を目指そうと今も練習を続けているのである。
「目標が高いんじゃないか?あの命中率には中々追いつけないだろう」
「もうちょい下げろってか?…無理言うなよな、教官さん」
「だから僕はティエリア・アーデという名前があると、君は一体何回言えば分かるんだ?」
「俺は、兄さんに追いつかないといけないんだよ」
ティエリアの言葉をまるきり無視して、ライルは呟いた。
「追いつかないといけないんだ」
そうでなくてはこの場にいる意味が半減する。
意味の内半分は、カタロンへと情報を流す事が出来るという点で十分に果たされている。そこは別に自分としても不満を抱いているわけではないから良いのだ、別に。むしろ満足さえ覚えているくらいなのだから。
けれども、もう半分は。
……自分は『ロックオン・ストラトス』を継ぐべくこの場にいる。この名を名乗ることを決めた瞬間から、それは確かに存在している『意味』だった。
なんと言おうと、これは。
「……まぁ、そこまで言うのならば止める事もないな」
軽く息を吐いての刹那の呟きに悪いな、と小さく謝罪して、反省会が再会される。
「反応は良いのだと思う……が、もう少し早く行動に移せないか?」
「無茶言うなって…今でも結構頑張ってんだよ」
「頑張ってその程度?嘆かわしい話だな」
「教官さ……じゃなくてティエリア……言葉の端々がトゲトゲしてる気がするのは気のせい?何かやっぱり凄く嫌われてるのか?」
「気のせいだろう。ただ昔のことを忘れられないだけだ」
「それによって行われる行為を一般的には『イヤガラセ』というんじゃないか?」
「……刹那、君はそちら側か?こちら側か?」
「ティエリア…そんな戦争するみたいな事」
「では訊くがアレルヤ、君はどちらだ?」
「え?僕?は……えっと…」
「あまりアレルヤを困らせるな」
アレルヤが本格的に悩み始め、刹那が仲裁に入ったところであれ?とライルは首を傾げた。これは確か、反省会のハズだったのだけど、何がどうしてこんな座談会になっているのだろう。一応反省会の主役だったはずの自分が、最終的には脇役以下になっているのは気のせいなのだろうか。
……気のせいと言うことにしておこうか、色々な意味を込めて。
別の議題に移ってしまった三人のマイスターはそっとしておくことにして、とりあえず……と、ライルは再びケルディムの方へと向かった。反省会が出来ないのならば、現段階で自分に出来るのは練習ただそれだけだ。
「…今度は少し早めに頑張ってみるか…」
とりあえず命中率は徐々に上がっている。そこはに間違いない。だからこのまま練習を続けていればじきに……そのうち…多分、ニールと同じくらいにはなれるはずだ。
ちょっとの不安には、この際目を瞑ることにしよう。
行動しなければ何も変わらないのである。
「んじゃ、いっちょ行ってきますか」
道のりは遠いと知りながら、頑張れる所までは頑張ろうと決めるライルだった。
桜のお題だからライアレじゃなくてもとにかくこの二人が仲良し、ってのを目指していたはずなのに、いつの間にかマイスターズに。ライル書いてるといつのまにかそうなってることが多いです、そういえば。