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バサラの日輪学院設定の七夕です。
一体誰がこのような行事を…とか思わないでください。細かいことは気にしてはいけないのです。



「全く…何故、我がこのような愚策に関わらなければならぬのか…」
「生徒会長だからだろう!グダグダ言わずに仕分けを続けろ!さもなくば即刻、悪と見なして貴様を削除するぞ!」
「…Ah、何か浅井のノリってたまに幸村と一緒じゃね」
「そういえばそうかもしれないね…あ、長曾我部君、その束はそっちじゃないよ」
「は?こんなんどこにどうやっても一緒じゃねぇかい?」
「違うから言われてんでしょ…ちょっと旦那!寝ないで寝ないで!ヨダレが短冊に付く!ていうか付いてる!」
「むにゃ…もう食べきれないでござる……」
「…賑やかね」
「……」
 今、生徒会室は色々と大変なことになっていた。
 事の始まりは、何がどう転んでそうなったのかは知らないが、七夕、という行事を学院でも行おうという決定が成されたことらしい。生徒会もその件には全く関与していないようで、つまりこれは教員の独断であって。
 頼むから、もっと別の実になる独断をして欲しいんだけれど。
 はぁ、と息を吐きながら、手伝いにかり出されている佐助はそれでも手を動かし続けた。ここで手でも止めようものなら、間違いなくあそこで今は言い争っている生徒会長と生徒会副会長によって制裁が加えられる。
 そう言うときは仲良しなのにねぇとため息を再度吐いて、一瞬、視界に映った見慣れた筆跡に目を奪われる。あの字、は。
 こそ、と元親の仕分けしている山からその短冊を取って改めて見ると、間違いなく、それが誰の物であるかは断言できた。筆跡の確認だけでなく、内容だけでも分かる。学院広しといえども、このような事を書く人物は一人しか知らない。
「だって『謙信様』だもんねぇ…」
 ヒラヒラと短冊を揺らせながら思う。
 これで、いったい何の願いを叶えたかったのか。
 …いやまぁ、書けなかったんだろうなぁと言うのは推測できる。というのも、謙信様、という下に何かを書こうとして諦めて、また書こうとして…の繰り返しの跡が残っているのだから。最終的には諦めに方に天秤が傾いたのだろう。
 らしいといえばらしいのかと笑いつつ、そうなると他のメンバーの書いた短冊も気にならないわけが無く。
 誰にも気付かれないように自分の知った筆跡を探そうと、仕事を再開しつつ視線をぐるりと机の上に巡らせ…二人目発見。
「竜の旦那ー、その短冊取ってくんない?そこの赤いの」
「これか?…って、これ、幸村のじゃねぇか」
「そ。何書いてあるか気になるでしょ?」
「大したこと書いてねーぞ。『団子を腹一杯食べたいでござる』だと」
「あはは…旦那らし」
「お、そっちにあんのは元親のじゃね?」
「あぁ、本当だね」
 政宗の言葉に半兵衛もその短冊を取る。もちろん半兵衛も、政宗もそうだったが、片手にはなっても手を休めることはなかった。流石は生徒会と言うべきなのだろうか。多分、この程度のことで一々手を休めていては仕事が進まないのだろうとは思うけれど。
「ふぅん…『ガンダムが欲しい』、ねぇ」
「へっ、テメェにゃ機械の素晴らしさが分からねぇようだな」
「機械そのものは素晴らしいと思うけど、どうしてここでこんな結論が出るのかが分からないね」
「格好良いじゃねぇかよ」
 手を休めて応答する元親に、手を動かし続ける半兵衛は一瞬ほど黙って、それから。
「あ、そう」
 とてつもなく気のない返事を返した。
 これは怒るなー、と傍観者気分で見ていると、案の定、元親はガタ、と音を立てて椅子から立ち上がった。
 けれども、その後が続かないのは生徒会室に揃っているメンバーを見れば分かることで。
「テメ……った!?」
「黙れこのバカ鬼が!手を休めるなと最初に言ったであろうが!」
「その通りだ長曾我部元親!仕事をせぬというなら貴様も悪と見なす!」
「だぁぁぁ!何でテメェらはそう言うときだけ仲良しなんだ!?」
「敵の敵は味方ぞ」
 つまり、共通の敵がいないと味方になれないってことですか。
 元就が投げつけ元親の顎にクリーンヒットした短冊の入った袋から、ひらりと目の前を舞う三つの短冊。薄い紙の束も集まれば凶器になる良い例がここに……などと考えながらもそれを佐助はキャッチした。
 そうして眺めて、目を丸くして、それから苦笑する。
「お市さんは本っ当に浅井の事が好きだねぇ」
「あ…それ、市の短冊…?」
「そうそ。あとそっちの寡黙少年のも、ね」
「……」
「読み上げる気はないから心配しなくても良いよ。俺様コレでも無駄な嘘は吐かないし」
 三枚の短冊を山の中に紛れ込ませながら、ちらりと視線を向けて言う。
「だから、安心しなよ。アンタの願いは読まないから」








三枚目の短冊が誰の物だったかは、ご想像に。
元親とガンダムは、別にこういうサイトだからではなくて、純粋に興味有るだろうなー、という思考からです。
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