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途美ヴェーダなら間違いなく七夕を見逃すわけはありません。
が。全校生徒だとあまりにティエたちがかわいそうだし他の小説と被ってるので。
何とか、その横暴は止めることが出来た。
けれども最終的には行動そのものを止めることは出来なかった、という点において、やはり自分は彼女には勝てないのだろうかと息を吐く。行動まで止まらなければ勝利したとは言い難い。
まぁ、規模が小さくなっただけ良しとしよう。
全校生徒でこんなのをやらされたら回収等々、苦労が増えるだけである。
…ただ。
「…どうして俺がこのようなことを」
「しょうがないよ、ティエリア。今回もヴェーダを止められなかった君にも責任はあるし」
「あの学園所有者と一緒になってこの行事を推したのはどこのどいつだ!」
「えー?誰だったっけ?」
「貴様だ、リジェネ・レジェッタ!」
叫んで、それからティエリアはふっと力を抜いた。
…ダメだ。思った通り、この程度ではリジェネは揺らがない。彼が留学していてくれたお陰で苦労が一つ減っていて、残っていた一つもあまりに強大すぎたというのに。なのにそこに、再び帰ってくるなどと。
いっそ向こうの学校に永住してしまえば良いと、半ば本気で思っていた身としては口惜しいことこの上ない。
力を抜いた跡、右手で顔の半分を覆い、息を吐く
「全く……何でこんなのが副会長なんだ…」
「ティエリア…大丈夫?」
「あぁ…すまない、アレルヤ。問題ない」
「…そう?」
リジェネの反対側の隣に座っていたアレルヤは、それでも何となく不安そうな表情を浮かべていた。信じられないらしい。つまり、信じることが出来ないほどに自分が疲れの表情を浮かべているということである。
……これも、全てあの二人のせいかと思うと諦めが生じてくるのは何故だろう。
「宿命だよ、ティエリア」
「勝手に人の思考を読むな……っ!」
「読んでないし。分かったんだから仕方ないじゃないか」
「…アレルヤ、俺はそんなに分かりやすかったか?」
「……まぁ、ね」
「てーか見え見えじゃねぇか」
「君には訊いていない、ハレルヤ・ハプティズム」
アレルヤを挟んで向こう側のハレルヤにピシャンと応じて、もうこうなったらこんな行事は早く終わってしまえとばかりに目の前にある短冊に文章を書いた。
…『某二人の暴走が止まりますように』…と。
それをのぞき見て、リジェネはわざとらしく目を丸くした。
「わ、苦労してるんだね、ティエリア。これからも頑張ってハレルヤとミハエルの駆除を頑張ってね。応援してる」
「いけしゃあしゃあと言ってくれる…っ」
「つーか何で俺が駆除されねぇとなんねーんだ!」
「え?駆除は嫌?じゃあ破砕とかどうだろ。駆逐だったら刹那になるし」
「…俺がガンダムだ」
「そうだね。刹那はガンダムだよね」
「あぁ…だから、願い事もちゃんとガンダムだ」
「本当だね。『ガンダムになりたい』なんて。なれたらいいね、刹那」
「……それより!」
ほのぼのとした空気を出している刹那とアレルヤから視線を外して、ティエリアはリジェネの短冊を奪い取った。
「そう言うお前はどんな願い事を書い……て…」
「いやぁ、大したことじゃないんだけどね」
願い事に目を通して、思わず固まるティエリアに、彼は朗らかに笑って言った。
「良いと思わない?『もっと学園生活が楽しくなりますように』って。学生っぽいよね」
「……お前の」
「ん?」
「お前のこの願いだけは何が何でも阻止させてもらう!」
「えぇ?酷くない?」
「酷くない!」
不満げなリジェネには悪いが、いや…自分は悪くないのだが、それだけは本当に阻止させてもらう。何せ彼の『楽しい』というのはつまり、身近で『騒動が起こる』ということである。ただし生死には関係ないような、深刻にならない騒動である。
もっとも、そういう騒動の尻ぬぐいは基本的に自分の所に来るのであって。
それは、もちろんリジェネも知っているだろう。
それでも書いて、それでも言うのだ。大したこと無い、と。
……十分あると何か良いったら分かるんだろう。
「とにかくッ!別の平和的な願いを考えろ!」
「えー?これも充分平和的じゃない?」
「…騒々しいな……ところで、アレルヤの願いは書けたのか?」
「うん。『もっと料理が上手になりますように』って。ハレルヤは…『打倒ティエリア』?」
「おーよ。負けっぱなしは性に合わねぇからな」
途美学園、リジェネが何気にしょっちゅう出てきてる気がする…何故?