式ワタリによる、好きな物を愛でるブログサイト。完全復活目指して頑張ります。
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七夕編、とあるけれど実際に七夕以外をするかは未定。
現代の弟妹同盟です。
「七夕?」
「そう。…知らない?」
「知らねぇわけじゃねんだが……お前がそれをやんのが不思議なだけだぁ」
「…あぁ、まぁ」
短冊を机に置いて、ペンを回しながら雲雀は答えた。
こんな、群れることに繋がるような行事、確かにあまり参加はしない。たまに、気まぐれで加わることもあるけれど、それは自分の気が向くか、あるいは相手がいる者である場合、その相手にどれほど自分が価値を見いだしているかで決まる。
そして今回は、後者だった。
軽く肩をすくめながら、首を傾げているスクアーロに説明する。
「赤ん坊の頼みとあっては、聞かないわけにはいかないからね。何でも、守護者……だっけ?そのメンバーは全員参加らしいよ」
「ってことはクロームもか」
「そう言うこと。ほら、あそこの…」
応接間の隅に置いてある七夕用の笹を指さして、言う。
「あの笹に、僕以外のメンバーの全員の短冊があるから」
「へぇ…見ても良いのかぁ?」
「構わないんじゃない?」
別に、誰も見られて困ることは書いていないだろう。
だから頷くと、彼は立ち上がって笹の方に行った。
その笹は、あまり小さいという物ではない。市販で売っている物よりも若干ばかり、高価そうだと雲雀は思うのだが、実際そうなんだろうとリボーンとの会話を初めから辿ってみる。確か、あの笹は綱吉の父から送られてきた、とかなんとか言っていた気がするのだ。
などと考え、そういえば彼の父はスクアーロの属している場所とも多少なりとも関係があるのだと思い出す。ということは、彼の本拠地にも笹が送られているのかも知れない。
七夕で、短冊に願いを書いて笹につるす暗殺者。
……自分が言うのも何かも知れないが、シュール、だ。
もっとも、あの王子くらいなら嬉々として書きそうな気もする。
そうして、あのザンザスもやるのかと考えて首を振った。
間違いなく、有り得ない。
「っち……あのバカ、やっぱり野球のことかぁ」
「…それ、山本武の事?」
スクアーロの声に思考の海から引き上げられ、雲雀は少しだけ気分を害した。原因は思考を中断させられたことではなくて、真っ先に短冊を探されている山本、だ。折角探されているのだから、そこは剣の事でも書けばいいのに。
咬み殺そうかな、本気で。
冗談でなくそう考えている間にも、スクアーロの短冊漁りは続く。
「隼人も相変わらずじゃねぇか。『右腕になりたい』だとよ」
「永遠に変わらないだろうね、それ」
「お、了平の……は…何だコレ」
「あぁ、『極限』、でしょ?それも一生変わらないから気にしたらダメだよ」
「あ゛ー、確かに変わらねぇだろうなぁ…」
「ところで、あの赤ん坊を付け狙ってる弱い牛がいるよね」
「ボヴィーノのガキの事かぁ?」
「多分それ。彼が何を書いているのか、僕には読めないんだけれど」
「ちょっと待てぇ…あぁ、そういうことか」
笹の短冊からそれを見つけたらしいスクアーロは、少し笑ったようで。
その表情に何となくふい、と視線を逸らして、雲雀は口を開いた。
「良いから読んで」
「大したことねぇぞ?『菓子が欲しい』とよ」
「…本当に大したこと無いね」
イタリア語が読めなくて、何だろうと気になってしまっていた自分がバカらしくなるくらいに、実にどうでも良い事だ。
今度、ちゃんとイタリア語を勉強してみようか…あの跳ね馬もいるし、あの馬も何気にイタリア語を使ってからかってくるし。などと真剣に見当している間に、いつの間にかスクアーロはソファーの所に戻っていた。
「もう良いの?」
「あぁ。綱吉の『苦労が減りますように』の辺りで何か俺の方が悲しくなってきたぜぇ…」
「クロームは普通だったよね。骸の事」
「救出できますように、だろ?あれはまだ何年か先の事だろうよ」
今のアイツじゃ力が足りねぇ。
欠伸をしながら言い、それから何を考えついたのかスクアーロは雲雀の手からペンを抜いて、机の上に何枚かあった短冊の内一枚を取った。
何?と思っている間にも彼はあっという間に短冊に文字を書いてしまい、気付けばペンは雲雀の手の中に再び収まっていた。短冊の方は文章を書かれてしまったので、元通りというわけにはいかなかったが。
…それより。
「何書いたの、スクアーロ」
「さぁなぁ?」
意地悪に笑う鮫の、書いた短冊の文字はイタリア語。
やっぱりイタリア語は学ぼう。日本語は読まれるのにイタリア語が読めなかったら公平じゃない。雲雀は、そう決めた。
そうして雲雀はクロームと一緒にイタリア語を、みたいな弟妹同盟もありかもしれない。
同盟結んでるから、雲と霧(クローム)はぼちぼちと仲良いですので。
「そう。…知らない?」
「知らねぇわけじゃねんだが……お前がそれをやんのが不思議なだけだぁ」
「…あぁ、まぁ」
短冊を机に置いて、ペンを回しながら雲雀は答えた。
こんな、群れることに繋がるような行事、確かにあまり参加はしない。たまに、気まぐれで加わることもあるけれど、それは自分の気が向くか、あるいは相手がいる者である場合、その相手にどれほど自分が価値を見いだしているかで決まる。
そして今回は、後者だった。
軽く肩をすくめながら、首を傾げているスクアーロに説明する。
「赤ん坊の頼みとあっては、聞かないわけにはいかないからね。何でも、守護者……だっけ?そのメンバーは全員参加らしいよ」
「ってことはクロームもか」
「そう言うこと。ほら、あそこの…」
応接間の隅に置いてある七夕用の笹を指さして、言う。
「あの笹に、僕以外のメンバーの全員の短冊があるから」
「へぇ…見ても良いのかぁ?」
「構わないんじゃない?」
別に、誰も見られて困ることは書いていないだろう。
だから頷くと、彼は立ち上がって笹の方に行った。
その笹は、あまり小さいという物ではない。市販で売っている物よりも若干ばかり、高価そうだと雲雀は思うのだが、実際そうなんだろうとリボーンとの会話を初めから辿ってみる。確か、あの笹は綱吉の父から送られてきた、とかなんとか言っていた気がするのだ。
などと考え、そういえば彼の父はスクアーロの属している場所とも多少なりとも関係があるのだと思い出す。ということは、彼の本拠地にも笹が送られているのかも知れない。
七夕で、短冊に願いを書いて笹につるす暗殺者。
……自分が言うのも何かも知れないが、シュール、だ。
もっとも、あの王子くらいなら嬉々として書きそうな気もする。
そうして、あのザンザスもやるのかと考えて首を振った。
間違いなく、有り得ない。
「っち……あのバカ、やっぱり野球のことかぁ」
「…それ、山本武の事?」
スクアーロの声に思考の海から引き上げられ、雲雀は少しだけ気分を害した。原因は思考を中断させられたことではなくて、真っ先に短冊を探されている山本、だ。折角探されているのだから、そこは剣の事でも書けばいいのに。
咬み殺そうかな、本気で。
冗談でなくそう考えている間にも、スクアーロの短冊漁りは続く。
「隼人も相変わらずじゃねぇか。『右腕になりたい』だとよ」
「永遠に変わらないだろうね、それ」
「お、了平の……は…何だコレ」
「あぁ、『極限』、でしょ?それも一生変わらないから気にしたらダメだよ」
「あ゛ー、確かに変わらねぇだろうなぁ…」
「ところで、あの赤ん坊を付け狙ってる弱い牛がいるよね」
「ボヴィーノのガキの事かぁ?」
「多分それ。彼が何を書いているのか、僕には読めないんだけれど」
「ちょっと待てぇ…あぁ、そういうことか」
笹の短冊からそれを見つけたらしいスクアーロは、少し笑ったようで。
その表情に何となくふい、と視線を逸らして、雲雀は口を開いた。
「良いから読んで」
「大したことねぇぞ?『菓子が欲しい』とよ」
「…本当に大したこと無いね」
イタリア語が読めなくて、何だろうと気になってしまっていた自分がバカらしくなるくらいに、実にどうでも良い事だ。
今度、ちゃんとイタリア語を勉強してみようか…あの跳ね馬もいるし、あの馬も何気にイタリア語を使ってからかってくるし。などと真剣に見当している間に、いつの間にかスクアーロはソファーの所に戻っていた。
「もう良いの?」
「あぁ。綱吉の『苦労が減りますように』の辺りで何か俺の方が悲しくなってきたぜぇ…」
「クロームは普通だったよね。骸の事」
「救出できますように、だろ?あれはまだ何年か先の事だろうよ」
今のアイツじゃ力が足りねぇ。
欠伸をしながら言い、それから何を考えついたのかスクアーロは雲雀の手からペンを抜いて、机の上に何枚かあった短冊の内一枚を取った。
何?と思っている間にも彼はあっという間に短冊に文字を書いてしまい、気付けばペンは雲雀の手の中に再び収まっていた。短冊の方は文章を書かれてしまったので、元通りというわけにはいかなかったが。
…それより。
「何書いたの、スクアーロ」
「さぁなぁ?」
意地悪に笑う鮫の、書いた短冊の文字はイタリア語。
やっぱりイタリア語は学ぼう。日本語は読まれるのにイタリア語が読めなかったら公平じゃない。雲雀は、そう決めた。
そうして雲雀はクロームと一緒にイタリア語を、みたいな弟妹同盟もありかもしれない。
同盟結んでるから、雲と霧(クローム)はぼちぼちと仲良いですので。
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