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物凄く、青とか橙とかのと比べて更新速度が遅い緑。
…何でなのだろうか…書きやすさの問題?。
13.泣いたり笑ったり
『何で僕はこんな所にいるんだろうね…』
『は?そりゃお前、いつものよーにあのアル中の誘いを断り切れなかったからだろ?』
『うん、それはそうなんだけど……っていうかハレルヤ、アル中じゃなくてスメラギさんだよ、名前』
『アル中で十分だろ』
『…そんなことはないと思うけど』
けれどあまり強くも言えず、アレルヤは手元のグラスに注がれていた酒をチ口にした。決して多い量を飲んだとは思わないのだが、どうやら度が強かったらしく、あっという間に頭が朦朧となる。きっと、これには先ほどまで飲んでいたお酒のアルコールの、積み重なりも起因しているのだろう。
……何だか、体がふわりと浮いている気分だ。
そろそろ本格的に飲むのを止めないと明日が大変そうなのだけれど、しかし飲み会の中心にいる戦術予報士がそれを許してくれるとも思えない。
明日はこのままじゃ、絶対に潰れてしまうだろうなぁと思いながら、ぼうっと他のメンバーのことも見た。リヒテンダールは既に寝てしまってて、それをラッセが運んでいるから二人はいない。イアンは整備とかで席を空けていて。
つまり、ここにいるのは自分とスメラギと……ロックオンだけだ。
スメラギは完全に出来上がっていて、対してロックオンは素面のまま。飲む量はちゃんと弁えているのだろう。流石。
「さー!もっと飲むわよー!」
「いや…ミス・スメラギ、そろそろお開きにした方が良いんじゃね?」
「何言ってるの!これからが本番よ!」
「今までが前座ってか?…勘弁してくれ」
額に手を当てて、ロックオンは息を吐いた。多分それは嘆息、とか呼ばれる者に違いない。けれど、絶対にあのスメラギが止まることはないだろう。
『ロックオンも大変なんだね、ハレルヤ』
『あんなロリコンの心配なんてすんなよ』
『だから、ロックオンはロリコンじゃないよ?ロックオンはみんなのお兄ちゃんだよ?』
『……お前、実はかなり酔ってるんじゃねぇのか?』
『え?何で?』
『だってお前……いや良い。何か、何言っても無駄だろーし』
『どういう事?』
『……』
沈黙を返答にされて、アレルヤは微かに頬を膨らませた。尋ねているのに言葉で答えてくれないなんて酷いではないか。
ハレルヤのバカ。そんな事を思いながら、グラスの中の酒をまた一口。
…そんなことをしている間にも、二人の纏め役は会話を続けていた。
「ロックオン、アンタもっと飲みなさいよ!」
「本当にもう良いって……これ以上飲んだら二日酔い間違いないんだけど」
「そのくらい関係ないわ!さぁ、飲むのよロックオン!…まさか」
と、ジトッと、ロックオンの顔を見据えてスメラギが呟く。
「貴方、もしかしてノってないの?」
「はい?」
「この会が楽しくないのかって訊いてるのよ!」
「ちょっと待てミス・スメラギ!」
慌てたようにロックオンが口を開いた。
「十分に楽しいって!それは本当だ!…こんな風に楽しく笑えたりするなんて、思ってなかったから尚更にな」
「…?ロックオン?」
「え…あ、いや、何でも無いぜ」
曖昧に笑んで答えるロックオンに、アレルヤはあぁ、と思った。先ほどちょっとだけ零れたまじめな言葉は、きっと彼の本心だ。いつもは吐露しないその言葉を口にしてしまったのは、もしかしたら彼も酒の力で口が軽くなっていたからかもしれない。
「…僕もです」
だからか、あるいは先にそれを言われたから抵抗が少なくなったのか……アレルヤの口も自然と軽くなっていた。
二人分の訝しげな目を向けられても、アレルヤは言葉を続けた。
「僕も、こんな風に楽しく出来るなんて思ってませんでした…」
「アレルヤ……?」
「とっても、幸せなことだね…」
ふふっと微笑んで、グラスをコトリと机の上に置く。
何だか眠い。まぶたが重くて開けていられそうにない。
「…お休みなさい」
目を閉じて机の上に俯せになると、ふいに、ポンと頭に手が乗せられたのを感じた。
ロックオンはお酒の量とかちゃんとしてると思う。