式ワタリによる、好きな物を愛でるブログサイト。完全復活目指して頑張ります。
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題名にトールギス出てきてるのに、書いているのは彼ではなくサンドロックの方だったりするという。
ごめんねトールギス。
起きて、最初に映ったのは見知らない天井だった。
「……え?」
「おぉ、目が覚めたか」
「…その声」
まさか、と身を起こそうとして、体中に走った痛みに顔をしかめる。
それから……ようやく、色々と思い出した。そうだ、自爆の間際にプログラムが発動して、サンドロックはその後に自爆を行い、気を失う間際に宇宙に上がっていくカトルのシャトルを目にして……。
「そうだ、カトルは!?……っ痛」
「ほれほれ、もう少しくらい安静にしとかんか。あと、パイロットは恐らく無事じゃ」
「…お久しぶりで、ドクターJ。あと、H教授、素敵なサプライズありがとう」
「何、カトルを自爆で殺すような事態を起こしたくなかっただけだよ」
「それでもありがとうだよ。けど、僕にくらい教えてくれても良いと思ったんだけど」
「それでは『素敵なサプライズ』にならんだろう?」
「……」
本当にそんな理由だけで隠されていたのか、あのプログラム。
多少唖然としながら、しかし心の大部分では酷く納得していた。H教授なら……というか、ガンダム製造者の五人全員なら、こういう重要なことだってそのくらいの気持ちでやってしまうに違いなかった。今のところ見つかっていないが、もしも自分たちの性格に難が出てきたとしたら、それは紛うことなく彼らのせいだ。
何でこんな人たちに生み出されたあげく、育てられて、送り出されてしまったのだろう。
そんなことを思いながら、今度はヘマをしないようにとゆっくりと起き上がり、服が着せられていない上半身に包帯が巻かれているのを見て、意味無いのにな、と笑って……。
「…ってあれ!?どうして僕、実体化なんてしてるの!?というかそもそもどうしてここに!?宇宙だよね、ここって宇宙だよね!?」
「あぁ、それはワシらが何となく呼んだからじゃ。そうしたら目の前に現れた」
「は!?そんなことってあるの!?」
「あったんだから仕方ないだろう。それと、実体化もその要領だったが」
「H教授、ちょっとそれに疑問とか覚えないのかなぁ!?」
そんな、人が他人がどうこうできる領域の話ではないだろうに。精神体が見えるのは製造者というか生みの親の特権だと思うけど、それを実体化させる事までされたら、こちらとしてはたまったものではない。こういう干渉が出来るのは精々が、同じような存在である仲間たちくらいのものだというのに。
しかし、そんなサンドロックの驚愕も、次のドクターJの言葉で封じられた。
「そんなことは言われてもの、ワシらが作ったMSに精神が宿り、あまつさえそれが精神体だとはいえ人型を取り、その上実体化まで行うことが出来、武器をも出現させることが出来て、さらには個性や性格があり、ワシらと会話さえ出来るこの状況でじゃ、これ以上何を驚けばよいと言うんじゃ?」
「……そうでした」
自分のことだからあまりに当たり前に取っているのだが、そういえば自分たちはとてつもなく非常識な存在だった。すっかり忘れていたというか……全然考えつかなかった。慣れというのは恐ろしい。
これは反論の余地はないな、と脱力してベッドに再び倒れ込もうとしたのだが、新たな来訪者が来たためにそれは後回しになった。
「プロフェッサーG…あれ、他の二人は?」
「あの二人は向こうにおる。ワシら全員が席を外せば怪しまれよう?」
「今でも十分に怪しまれておるが、まさかお前を置いておるとは思われんじゃろうて」
「それは僕の存在が知られていないんだから当然じゃないか…」
凄く頭が痛いのは気のせいか。
そうだ、昔からこうだった。自分たちは基本的に生みの親で育ての親で、仲間を除けば一番長い時間を共に過ごしている彼らに、あらゆる意味で勝てたことなど一度もないのだ。
だから、この辺りのことは諦めるべきだろう、きっと。
気持ちを切り替えることにして、サンドロックはプロフェッサーGの方を見た。
「プロフェッサーG、それで、どうして貴方はここに?あと、ドクターJも。H教授なら僕相手だし、いても全然不思議じゃないけど」
「おぉ、そうじゃった。デスサイズは元気かと訊こうと思っての」
「ついでにウイングの様子も教えてくれたら嬉しいんじゃが」
二人の言葉に、そういうことかと納得しながら口を開く。
「二人とも、とりあえず元気だと思うよ?ウイングは自爆してたけど、ゼクスって人に直してもらったそうだし。デスサイズは宇宙に上がったよ。僕は傍にいたから後者は絶対にそうだと分かる。今のところ、二人とも無事なんじゃない?」
けれども、他のことはいまいち分からない。ずっと気を失っていたようだし、ウイングやヘビーアームズとは最近はあまり喋ってもいないし。
体が無くなった今だから、ちょっと話しに行くのも手だろうか。
そんなことを思っていると、ふっと、二人の製造者の言葉が耳に届いた。
「あれも元気にしとるのか…さすがはワシの最高傑作」
「最高傑作ぅ?何を言っとる。ウイングの方が数倍も性能が良いわい」
「…あのさ、ドクターJはともかくプロフェッサーG、それはもう言わない方が良いと思うんだけれどどうだろうね?デスサイズ、最高傑作って、その呼び方嫌がってるし…」
「サンドロック、お前も負けず劣らず優れていると思うぞ?」
「あー、もうH教授も何も言わないで!」
親ばか博士たちを書きたかったんです、最後。
「……え?」
「おぉ、目が覚めたか」
「…その声」
まさか、と身を起こそうとして、体中に走った痛みに顔をしかめる。
それから……ようやく、色々と思い出した。そうだ、自爆の間際にプログラムが発動して、サンドロックはその後に自爆を行い、気を失う間際に宇宙に上がっていくカトルのシャトルを目にして……。
「そうだ、カトルは!?……っ痛」
「ほれほれ、もう少しくらい安静にしとかんか。あと、パイロットは恐らく無事じゃ」
「…お久しぶりで、ドクターJ。あと、H教授、素敵なサプライズありがとう」
「何、カトルを自爆で殺すような事態を起こしたくなかっただけだよ」
「それでもありがとうだよ。けど、僕にくらい教えてくれても良いと思ったんだけど」
「それでは『素敵なサプライズ』にならんだろう?」
「……」
本当にそんな理由だけで隠されていたのか、あのプログラム。
多少唖然としながら、しかし心の大部分では酷く納得していた。H教授なら……というか、ガンダム製造者の五人全員なら、こういう重要なことだってそのくらいの気持ちでやってしまうに違いなかった。今のところ見つかっていないが、もしも自分たちの性格に難が出てきたとしたら、それは紛うことなく彼らのせいだ。
何でこんな人たちに生み出されたあげく、育てられて、送り出されてしまったのだろう。
そんなことを思いながら、今度はヘマをしないようにとゆっくりと起き上がり、服が着せられていない上半身に包帯が巻かれているのを見て、意味無いのにな、と笑って……。
「…ってあれ!?どうして僕、実体化なんてしてるの!?というかそもそもどうしてここに!?宇宙だよね、ここって宇宙だよね!?」
「あぁ、それはワシらが何となく呼んだからじゃ。そうしたら目の前に現れた」
「は!?そんなことってあるの!?」
「あったんだから仕方ないだろう。それと、実体化もその要領だったが」
「H教授、ちょっとそれに疑問とか覚えないのかなぁ!?」
そんな、人が他人がどうこうできる領域の話ではないだろうに。精神体が見えるのは製造者というか生みの親の特権だと思うけど、それを実体化させる事までされたら、こちらとしてはたまったものではない。こういう干渉が出来るのは精々が、同じような存在である仲間たちくらいのものだというのに。
しかし、そんなサンドロックの驚愕も、次のドクターJの言葉で封じられた。
「そんなことは言われてもの、ワシらが作ったMSに精神が宿り、あまつさえそれが精神体だとはいえ人型を取り、その上実体化まで行うことが出来、武器をも出現させることが出来て、さらには個性や性格があり、ワシらと会話さえ出来るこの状況でじゃ、これ以上何を驚けばよいと言うんじゃ?」
「……そうでした」
自分のことだからあまりに当たり前に取っているのだが、そういえば自分たちはとてつもなく非常識な存在だった。すっかり忘れていたというか……全然考えつかなかった。慣れというのは恐ろしい。
これは反論の余地はないな、と脱力してベッドに再び倒れ込もうとしたのだが、新たな来訪者が来たためにそれは後回しになった。
「プロフェッサーG…あれ、他の二人は?」
「あの二人は向こうにおる。ワシら全員が席を外せば怪しまれよう?」
「今でも十分に怪しまれておるが、まさかお前を置いておるとは思われんじゃろうて」
「それは僕の存在が知られていないんだから当然じゃないか…」
凄く頭が痛いのは気のせいか。
そうだ、昔からこうだった。自分たちは基本的に生みの親で育ての親で、仲間を除けば一番長い時間を共に過ごしている彼らに、あらゆる意味で勝てたことなど一度もないのだ。
だから、この辺りのことは諦めるべきだろう、きっと。
気持ちを切り替えることにして、サンドロックはプロフェッサーGの方を見た。
「プロフェッサーG、それで、どうして貴方はここに?あと、ドクターJも。H教授なら僕相手だし、いても全然不思議じゃないけど」
「おぉ、そうじゃった。デスサイズは元気かと訊こうと思っての」
「ついでにウイングの様子も教えてくれたら嬉しいんじゃが」
二人の言葉に、そういうことかと納得しながら口を開く。
「二人とも、とりあえず元気だと思うよ?ウイングは自爆してたけど、ゼクスって人に直してもらったそうだし。デスサイズは宇宙に上がったよ。僕は傍にいたから後者は絶対にそうだと分かる。今のところ、二人とも無事なんじゃない?」
けれども、他のことはいまいち分からない。ずっと気を失っていたようだし、ウイングやヘビーアームズとは最近はあまり喋ってもいないし。
体が無くなった今だから、ちょっと話しに行くのも手だろうか。
そんなことを思っていると、ふっと、二人の製造者の言葉が耳に届いた。
「あれも元気にしとるのか…さすがはワシの最高傑作」
「最高傑作ぅ?何を言っとる。ウイングの方が数倍も性能が良いわい」
「…あのさ、ドクターJはともかくプロフェッサーG、それはもう言わない方が良いと思うんだけれどどうだろうね?デスサイズ、最高傑作って、その呼び方嫌がってるし…」
「サンドロック、お前も負けず劣らず優れていると思うぞ?」
「あー、もうH教授も何も言わないで!」
親ばか博士たちを書きたかったんです、最後。
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