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カタカナ喋りでないスターゲイザーがとてつもなく違和感だと気付いた今日この日。
でも人間状態だからね、擬人化だからね…。
41:砂
「…やっぱりここも熱いんだねー」
「扇風機があるだけマシだ」
「ですね。確か、コロニー全体の冷房が全滅したと聞いています」
「あれ?コンビニとかスーパーとかは無事じゃなかったっけ?」
「現在はそれも過負荷を与えたために故障中です」
「へぇ…」
そうだったのかと驚くと同時に、良く知っていたなとサンドロックは賞賛を込めた視線をスターゲイザーに向けた。もっとも、彼はそれを誇るでも何でもなく、知っていることを当たり前というような態度を取っているが。実際、彼にとってはそうなのだろう。
ここはホワイトベースの、ノワールとスターゲイザーが陣取っている部屋だ。どうしてそんなところに自分がいるかというと、それは何となくである。涼を求めて外に出たはいいのだが、行く当てもなければ涼しいだろうと予測できる場所もない。結果として、ふっと思いついた二人組の所に来ることになったのである。
まぁ、結果としては良かったのだろう、それで。お陰で扇風機という素晴らしいアイテムに巡り会うことが出来た。自分たちの所の扇風機は……その、色々あって使い物にならない状態であるので、使えない。
その経緯を思い出しかけて、慌てて首を振る。あれは不可抗力なのだから、仕方ないのだからあまり考えるべき箇所ではないのだ。
だって仕方ないではないか。
あの時はちょっと苛立っていたのだし。
自分にだってそう言う日はあるのに、そう言う日に限っていつも以上の大馬鹿をやらかしてくる某ウイングと某ナタクが悪い。
……けど、やっぱり巻き添えとはいえ扇風機をまっぷたつは拙かっただろうか。
まさかあの時のあの行動がこんな形で跳ね返ってくるとは。文句の一つか二つは言われるかと思ったのだが、誰もそれを口にしなかったのは些か予想外ではある。
「文句が無かったんだし、良かったと言えば良かったんだけれどね…」
「何の話だ?」
「いいや、別に独り言。大したこと無いよ」
「大したことがないのですか?でも、興味あります」
「持たない方が身のため、だと思うけど」
あんな話、聞いたところで楽しくも何ともないだろう、し。
そう思いながらふぁあ、と欠伸をして、軽く目を擦る。
「眠ってる間に涼しくならないかなぁ…」
「無理ではないのですか?」
「だよね……涼しくなる方法って無いんだろうか……」
「あったらとっくの昔に試している」
「…やっぱり?……あ、でも」
ぽん、と手を打って、サンドロックは。
ノワールを見ながら思いついたことをそのまま言った。
「怖い話とかしたら、気分だけでも涼しくならないかな」
「……は?」
「あぁ、それはいけるかもしれません」
「思う?じゃあ、早速やってみよっか。とっておきがあるんだよね」
「ちょっと待て!」
「何?」
どこか慌てた様子のノワールにキョトンとした表情を見せる。
そういえばノワールは元の色が黒かったのに熱暴走してないなと思いつつ、多分それは朝からずっと扇風機の風に当たっていたからだろうと見当を付けて、サンドロックは問いを発した。
「何か問題があるの?オカルト好きだったよね」
「…お前の、その、とっておき、とやら」
「ん?それがどうかした?」
「どこから聞いた話だ」
「デスサイズ」
「…却下だ!とにかくそれならダメだ!」
「えぇぇ?大丈夫だよ、これはまだ怖くない方だって言ってたし」
「アイツの怖くない方というのは充分に怖いんだ!」
「…そうなの?」
「多分、そうなのではないでしょうか」
「そっか…」
スターゲイザーが言うなら間違いなさそうだ。
変なの、とサンドロックとしてはとてつもなく首を傾げるような事なのだが、それは。何せ、初めて聞いたときに自分は倒れなかったようなレベルの怖い話なのだし。免疫が付いていないワケではないから、自分の感覚はあまり参考にならないのかも知れないが。
しかし、そういうことなら仕方はない。
素直に扇風機に当たって暑いのをどうにかしよう。
皆様、覚えていますでしょうか。かつて擬人化100題において、風、というお題があったことを。
今回もそれと同じノリです。サンドロックだから。砂系の名前だから。出てるだけでOK!みたいなノリ。
…だって砂とか…真面目?にやったらターンAに埋められる誰かしか浮かばない…暑いのに、それはちょっと地獄だと思って。