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忍たちの話もたくさん書いてみたいんです。
006:櫛風沐雨
「全く苦労しちゃうのよ。おたくもでしょ?」
「……」
「え?それ程でもない?…アンタ、結構大人だねぇ」
「…」
そんなことはないと思ったので無言のまま首を横に振ると、相手はどこか呆れたようにこちらを見た。何か、変な対応でもしただろうか。そんなことはないと思うのだけれどと首を傾げると、そうじゃないと言わんばかりに手を振られた。
ではいったい何で。
じっと視線を向けることで彼に問いかければ、佐助はため息を吐いて口を開いた。
「だからね、そういう対応を取れるって言う時点で大人でしょ」
「……?」
「忍ってのは基本的に年中無休なわけ。つまり、晴れだろうと雨だろうと、それこそ嵐だろうと関係なくお仕事をしないといけないってコト。それなのにそれ程でもないって言って、あまつさえそれで大人じゃないなんて事は絶対無し」
分かる?と訊かれ、小太郎は頷いた。何となく、漠然と、彼の言いたいことは分からなくはなかった。完全に納得できたかと言えば、恐らくそうではないのだが。
やはり、自分はそこまで大人ではないだろう。
あぁ…でも、確かに忍の仕事は大変だとは思う。そこだけはハッキリと認めることが出来るだろう。年中無休は本当だし。自分の場合、それに慣れてしまっただけなのだ。
だからそう伝えようと思ったのだが、止めた。無言ではきっと伝わらないだろう。そして別に無理に伝えるような事柄でもない。
「…ん?どうかした?」
「……」
「そう?何でもない?」
「……」
小太郎は、こくりと頷いた。
忍の仕事は大変そうですよね…。
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