式ワタリによる、好きな物を愛でるブログサイト。完全復活目指して頑張ります。
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本誌の展開とは全く関係ない話ですけれど。
前回の続きです。
クロームは、公園のベンチに座ってボウッとしていた。
考えるのは今夜の夕食について、である。
……実は困ったことに、資金が、無い。
ちゃんと考えて使っていたはずだし、大丈夫だったはずなのに。
はぁ、と息を吐いて両親のことを思い浮かべる。
あの二人に、頼らなければならないのだろうか。
…何となく、嫌、なのだけれど。
そんな憂鬱さを持って息を吐いていると、ふいに体に掛かる黒い影。
思わず顔を上げると、そこには。
「っ……」
つい先日、敵として認識していた相手。
「お前、一人で何やってんだぁ?」
スペルビ・スクアーロ。
彼は本当に不思議そうな表情でこちらを見ていた。その様子から敵意を感じることが出来ず、とりあえず安堵する。彼に、今は自分を害するような意思はないのだろう。それでも可能性は否めないと、警戒はそのまま続けることにする。
そうとは知っているだろうに、スクアーロはそのまま許可も得ずにクロームの隣に座った。ベンチは公共の物だから、そうされても問題は無いのだが。
「……」
無いのだが、何だかとても気になる。
こういう状況はどうしたら良いんだろうと困惑しきっていると、ふいに、鳴り響いてしまうお腹の音。
………………そういえば、昼ご飯からしてまだだった。
あんまりの事態に顔を赤くしていると、隣から驚いたような視線が向けられた。
「お前、昼飯まだなのかよ?」
「…そう、だけど」
「じゃあ食うか?」
「…え?」
どういうことかと視線を上げると、彼は右手に持っていた袋を掲げて見せた。それが彼の昼食らしい。
にしても……これは…。
一体、どうしたらいい状況だろうか。
毒とか、そういうのは考えなくて良いと思う。何だかんだで結局は彼らもボンゴレだし、反乱を起こしてまたすぐ反乱なんて元気は無いだろう。だから、自分とかに喧嘩を売るのはあまり得策ではない、だろうし。
ということは、これは裏も表もない普通の行動なのか。
しばしの沈黙の後、クロームは、その袋を受け取った。
中を覗くと、パンやむすびといった簡単に食べられる物、それと飲み物のペットボトルが一本ほど。
これはどうしたら、と困っていると彼は口を開いた。
「それはお前が飲めぇ。あと、食いもんも好きに取りゃ良い」
「…スクアーロの飲み物は」
「いらねぇ」
「一緒に、飲まないの?」
「だから、いらねぇって言ってんだろ」
そんなことがあるわけ無いと思うのだが、これは、もしかしたら遠慮してくれているのか。もしそうだと仮に想定するとしたら…彼は、とてもいい人ということになる。
自分で考えて出してしまったその結論に一瞬唖然とする物の、最終的にはそれをクロームは受け入れることにした。お腹が空いている自分に差し入れをしてくれる人。それだけでも十分に良い人ではないか。
うんうんと頷きながら。好意に甘えてペットボトルを取り、袋の中からパンを一つ取りだした。メロンパンだ。
「…スクアーロは、どうしてここに?」
「任務帰りだぁ。帰ったらまたこき使ってくれんだろうなぁうちのボス…」
「……大変、なんだ」
「慣れたけどなぁ」
「…そう」
慣れてしまうくらい晒され続けたのか、苦労する事態に。
何となく、それだけでも警戒が解けていきそうな感じだ。
そうでなくてももう…殆ど、警戒なんてあってないような物だというのに。
もう、この頃にはクロームはスクアーロを警戒するなんてしなくなっていたのだ。
「ねぇ、スクアーロ、どうして左腕がない…の?」
「義手がダメになったからなぁ。新しいのが来るまでこの状態だ」
「大変、だね…」
「このくらいどうってことねぇよ」
どうって事はないかもしれないが、それでも大変な物は大変だろうに。
頑張っているなぁと思い、この時点でクロームは。
完全に、警戒を取っ払っていた。
苦労鮫…。頑張れとしか言えない。
考えるのは今夜の夕食について、である。
……実は困ったことに、資金が、無い。
ちゃんと考えて使っていたはずだし、大丈夫だったはずなのに。
はぁ、と息を吐いて両親のことを思い浮かべる。
あの二人に、頼らなければならないのだろうか。
…何となく、嫌、なのだけれど。
そんな憂鬱さを持って息を吐いていると、ふいに体に掛かる黒い影。
思わず顔を上げると、そこには。
「っ……」
つい先日、敵として認識していた相手。
「お前、一人で何やってんだぁ?」
スペルビ・スクアーロ。
彼は本当に不思議そうな表情でこちらを見ていた。その様子から敵意を感じることが出来ず、とりあえず安堵する。彼に、今は自分を害するような意思はないのだろう。それでも可能性は否めないと、警戒はそのまま続けることにする。
そうとは知っているだろうに、スクアーロはそのまま許可も得ずにクロームの隣に座った。ベンチは公共の物だから、そうされても問題は無いのだが。
「……」
無いのだが、何だかとても気になる。
こういう状況はどうしたら良いんだろうと困惑しきっていると、ふいに、鳴り響いてしまうお腹の音。
………………そういえば、昼ご飯からしてまだだった。
あんまりの事態に顔を赤くしていると、隣から驚いたような視線が向けられた。
「お前、昼飯まだなのかよ?」
「…そう、だけど」
「じゃあ食うか?」
「…え?」
どういうことかと視線を上げると、彼は右手に持っていた袋を掲げて見せた。それが彼の昼食らしい。
にしても……これは…。
一体、どうしたらいい状況だろうか。
毒とか、そういうのは考えなくて良いと思う。何だかんだで結局は彼らもボンゴレだし、反乱を起こしてまたすぐ反乱なんて元気は無いだろう。だから、自分とかに喧嘩を売るのはあまり得策ではない、だろうし。
ということは、これは裏も表もない普通の行動なのか。
しばしの沈黙の後、クロームは、その袋を受け取った。
中を覗くと、パンやむすびといった簡単に食べられる物、それと飲み物のペットボトルが一本ほど。
これはどうしたら、と困っていると彼は口を開いた。
「それはお前が飲めぇ。あと、食いもんも好きに取りゃ良い」
「…スクアーロの飲み物は」
「いらねぇ」
「一緒に、飲まないの?」
「だから、いらねぇって言ってんだろ」
そんなことがあるわけ無いと思うのだが、これは、もしかしたら遠慮してくれているのか。もしそうだと仮に想定するとしたら…彼は、とてもいい人ということになる。
自分で考えて出してしまったその結論に一瞬唖然とする物の、最終的にはそれをクロームは受け入れることにした。お腹が空いている自分に差し入れをしてくれる人。それだけでも十分に良い人ではないか。
うんうんと頷きながら。好意に甘えてペットボトルを取り、袋の中からパンを一つ取りだした。メロンパンだ。
「…スクアーロは、どうしてここに?」
「任務帰りだぁ。帰ったらまたこき使ってくれんだろうなぁうちのボス…」
「……大変、なんだ」
「慣れたけどなぁ」
「…そう」
慣れてしまうくらい晒され続けたのか、苦労する事態に。
何となく、それだけでも警戒が解けていきそうな感じだ。
そうでなくてももう…殆ど、警戒なんてあってないような物だというのに。
もう、この頃にはクロームはスクアーロを警戒するなんてしなくなっていたのだ。
「ねぇ、スクアーロ、どうして左腕がない…の?」
「義手がダメになったからなぁ。新しいのが来るまでこの状態だ」
「大変、だね…」
「このくらいどうってことねぇよ」
どうって事はないかもしれないが、それでも大変な物は大変だろうに。
頑張っているなぁと思い、この時点でクロームは。
完全に、警戒を取っ払っていた。
苦労鮫…。頑張れとしか言えない。
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