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一人語りって言うのは難しいですよね…何か心的な物ならともかく、他のって。
007:天涯比隣
暇、だと思った。
最近は、特にこれといって面白い話がないのだ。戦もないし、平和そのもの。近頃にあった大きなニュースと言えば、小十郎の畑の野菜が大豊作だったことくらいだろうか。それ程までに平穏な日々が続いているのである。
別にそれが嫌だというわけではないけれど、どこか物足りない気はする。政務なんて面倒だと思うけれども、暇を潰そうと何となく手を付けているのだが、それでも暇だという思いは消えない。政務というのはどうやら暇を紛らわす物であって、暇を潰すための物ではなかったようだ。
誰か、この思いを一緒に共有できそうな人物はいないかと考えてみれば、浮かぶのはせいぜい四国の方にいる鬼くらいだろうか。甲斐の若虎はこういう立場にはいないから、こういう思いを抱くこともないだろう。
あぁ、しかしだとすれば随分と遠いところに同士がいたものである。
今度こちらからこっそりと向こうを尋ねてみようかとも思って、止めた。
そんなことをしなくても、どうせ向こうから尋ねてくるのである。ならばわざわざこちらから行ってやることもないだろう。あの鬼に来させた方が、色々と面白い物が手にはいることもある。
まぁそれに…たぶんだが、そろそろ来る頃だろうし。
そうなると、野菜の大豊作というのは結構良い偶然だったのではないだろうか。来た相手をむげに扱う気はないから、何か手料理でも振る舞ってやれれば良いだろう。
などと思いを巡らせるのはそこそこ楽しいのだが、これでもしもどうしようもない物を持ってきたとしたら…その時はその時で、対応の仕方を考えるのみである。
さて…ということは、さっさと書類仕事は終わらせてしまうに限る。尋ね来た来訪客には心の底から歓迎しつつ、歓迎する自分には何の面倒もない状態でありたいのだ。そうでなければ楽しいと思う気持ちも些かでなく減る。
だから、その時を楽しみにしながら。
政宗は政務を再開した。
二人が仲良ければいいよって言う話。