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ようやく半分いったのでしょうか。EW入れたらそれどころじゃないけど。
嫌な、予感がした。
それはとてつもなく嫌な予感で、嫌で嫌で仕方が無くて、同時に、逃げることも遮ることも出来ないような、予感。
思わず片手で額を抑えた自分を、捉える視線を感じた。
それはとても不安がっているような、心配しているような物。仲間からの物であると感じ取って、そのおかげでほんの少しだけ肩の荷が下りた。少しだけだったけれど、嫌な予感が、軽くなったような感じがした。
気のせいだと、今なら振り切ることが出来る気がする。
けれど。
あまり、そうするべきではないように思えた。
こんな風に感じるとしたら、それは仲間に関する何かか、自分のパイロットに何かがあったときだろう。生憎と、自分を作り上げた大人が危機に陥っても、あまり自分は驚かないような気がするし、必要以上に騒がない気がする。まぁ、あの人たちの性格が性格だからだろう、きっと。それでも、どうにかしようと自然に考える自分は容易に想像できるのだけれど。
ともかく、強くそう感じるのなら、その予感は横に置いて捨てるべきではない。
どうしたらいいだろうか。意見を聞こうかと、ふ、と周りを見渡せば、誰も彼もが似たような表情を浮かべていた。
何かあるのだろうか。
それとも、既に何かあったのか。
全く分からなかった。訊けば分かるのかも知れないけれど、そうするべきではないとも思う。口を開きがたい沈黙が、その場を満たしていた。
どうしたいのだろうか、自分は。沈黙の中で、考える。
見に行きたいのだろうか、自分のパイロットの様子を。博士たちの様子でも、この場合はまだ当てはまるのだろう。あるいは、今はこの場にいないとある一人を捜しに行きたいのだろうか。
よく、分からない。
そして多分、分かる物ではないのだろうと思う。
こういう予感に突き動かされて、動かなければ後悔する。同時に、動いても後悔はあるのだろう。嫌な予感というのは嫌な事態を伝えるものであって、感じたときには既に手遅れになっていることが多い。
だというのに見に行って、『最悪』がそこに広がっていたらどうしろと言うのだろう?
意思はある。自由に動く手足もある。しかし、必要最低限ほどしか自分の意思では干渉しないと決めた自分たちに、何をどうしろと言う?
何も出来ないのだから、見に行きたくはない。
そんな思いを誰もが抱いているような気がする。
だからこそ、動けない。
行動したいのかしたくないのか、分からない。
分かりたく無いのだから、それも当然だろう。分かってしまったら行動するしかない。だから、分かろうとしないのだ。
それは、責められるべきなのかも知れない。
それでも今は。
「…あ」
「…」
そんな時だ。
何かに気付いたかのようにデスサイズとナタクが顔を上げ、一瞬にして消えてしまったのである。
どういうことか、考えるまでもなかった。
本体に、精神が戻ったのだ。
消えた二人のいた場所を眺め、サンドロックが首を傾げる。
「…どうしたんだろ。パイロット、帰ってきたのかな?」
「……」
「だよねぇ…脱獄は難しいよねぇ…でも、そうとしか思えないし」
「……」
「え?あ、そっか。外からの手引き…って誰が?」
「…」
そこまでは本気で分からなかったので、肩をすくめて『分からない』と返しておいた。誰とでも、この状況下なら有り得ないこともなかった。全てが対立し、争っているような現状では。
ただ、分かっているのはデスサイズとナタクがいなくなったこと。ウイングがいないことくらいのものなのだ。
「…教授たちの所、行く?」
「……」
サンドロックの言葉にヘビーアームズは頷き、二人は立ち上がった。
嫌な予感は消えないが、状況は変わった。
止まってばかりでは、いられない。
情報が、今は欲しかった。
ここにウイングを入れてあげられないのが何とも言えないです。仲間はずれは悲しいのに…。ちょっとは休憩させてあげて欲しいなぁなんて思ってみたり。