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今回はちょっと軟禁中のあの人が出てきます。
総勢四名で掛かることになった、今回の指令。
その、原因ともなっている存在は今、まさに目の前にいて。
その原因は、のんびりと茶を啜り、ホーマーがとりあえず持ってきた和菓子をつまんでいた。実にくつろいだ様子で、だ。
「…すみませんが一つ訊かせてくれませんか」
「ん?何かしら?もう書類は全部片付いたでしょ?」
「その点についてはそれ程言うこともありませんが」
「なら良いじゃない」
「…貴方は」
あっけからんと言ってのける女性に、眉間を揉みほぐしながらジェジャンは言った。
「自分の置かれた状況を理解していますか?」
「してるわよ?私の横暴に耐えかねた教育委員辺りの……実際のスポンサーがそこら辺りなのかは私としてはやや懐疑的だけれど、まぁ真実の一部分ではあるでしょうから考えないことにして。それで、貴方たちはここに送り込まれてきた精鋭、いわばエリート。今回に限って言うとそうね、刺客、というところ?」
「…正解です」
理解は、しているようだ。
ただ、理解をしながらも態度を恐らく今までと全く変えない彼女という存在を、ジェジャンはやや戦きながら見ていた。それもそうだろう。何せ、彼女は下手をしたらこの学園の在り方を一から変えられてしまうかもしれない立場にいて、なおも平然としているのだから。普通だったら、多少は恐れるだろう。
しかし。
彼女は、まるでこちらの心を見透かしたかのように笑って見せた。
「貴方、何か考え違いをしてるでしょ?」
「…?」
「どうせ一から変えるとか思ってるんだろうけど、それじゃ役不足。ま、貴方たちは初めから役不足だから気にしなくて良いわ。どのみち何も変わらないから」
「な……」
その言葉は、ハッキリ言うと『貴方たちは無能だ』という意味ではないのか。
絶句していると、そこからも何かを読み取ったらしい学園所有者は、気にしないでと言わんばかりに手を振った。
「貴方たちはエリート、まぁそこは認めてあげる。社会ではそう認められているから、ここに送り込まれたんだろうし。ただね、それだけじゃ勝てないわよ?…という話。貴方たち、見るからに頭堅そうだしねー」
「…それとこれと何の関係が、」
「一からじゃ、ダメってこと」
そう彼女は言って。
くすくす、と笑った。
「私たちを変えたいのなら、零から変えてご覧なさい。もしかしたらマイナス部分から変えないといけないかも知れないけれど、一よりは零の方がまだ可能性があると思うけれど?と…こんなことを言うのは他でもなくて、貴方たちにはどうしたって基礎までひっくり返す力はない、というのを教えたかっただけ」
だから気にしないでと、彼女は朗々と歌い上げるように言う。
その声から溢れんばかりにある自信に、ジェジャンはあるいはこの時、
もしかして、という仮定を述べるまでもなく、
「…一つお訊きしても良いでしょうか」
「私に出来ることで、私が答えても良いと思うことならどうぞ?それ以外はそもそも答えないから安心してくれて良いわ。何でも言って」
「では…一つだけ。ヴェーダ、貴方は現状をどう思っているのですか?」
「単なるレクリエーション」
「…」
先ほど『絶句』という言葉を使ったが訂正しよう。今、この瞬間の方が間違いなく『絶句』という言葉に相応しかった。まさか、そんなに簡単な物と捉えられてしまっているとは。なめられたものだと怒るべきか、それとも大した物だと褒めるべきか。ここまで清々しいといっそ分からないのだが。
が、そんな事柄でも、先ほどから生まれてしまったジェジャンの中の確信に揺らぎは起こさせなかった。むしろ確固とした物になった。
あぁ、本当に、この相手は。
「ねぇ、ジェジャンだっけ、貴方」
「そうですが…何でしょう」
「貴方はまだ話が伝わるようだから誘ってみるけれど、追い出された後にこっちに帰ってこない?歓迎くらいはしてあげるけど」
「追い出されることは確定ですか?」
「当然。ここをどこだと思っているの?」
「…愚問でした」
ため息を吐き、答える。
ここは、彼女が統べている学園。
そんな場所で自分たちが勝てるわけがないという、予感めいた確信は先ほど生まれたばかりだった。
ジェジャンさんはちょっと安全ゾーンに入りました。理由は多分、この人が四人の中だと一番頭やわらかく出来るポジに居るから。
その、原因ともなっている存在は今、まさに目の前にいて。
その原因は、のんびりと茶を啜り、ホーマーがとりあえず持ってきた和菓子をつまんでいた。実にくつろいだ様子で、だ。
「…すみませんが一つ訊かせてくれませんか」
「ん?何かしら?もう書類は全部片付いたでしょ?」
「その点についてはそれ程言うこともありませんが」
「なら良いじゃない」
「…貴方は」
あっけからんと言ってのける女性に、眉間を揉みほぐしながらジェジャンは言った。
「自分の置かれた状況を理解していますか?」
「してるわよ?私の横暴に耐えかねた教育委員辺りの……実際のスポンサーがそこら辺りなのかは私としてはやや懐疑的だけれど、まぁ真実の一部分ではあるでしょうから考えないことにして。それで、貴方たちはここに送り込まれてきた精鋭、いわばエリート。今回に限って言うとそうね、刺客、というところ?」
「…正解です」
理解は、しているようだ。
ただ、理解をしながらも態度を恐らく今までと全く変えない彼女という存在を、ジェジャンはやや戦きながら見ていた。それもそうだろう。何せ、彼女は下手をしたらこの学園の在り方を一から変えられてしまうかもしれない立場にいて、なおも平然としているのだから。普通だったら、多少は恐れるだろう。
しかし。
彼女は、まるでこちらの心を見透かしたかのように笑って見せた。
「貴方、何か考え違いをしてるでしょ?」
「…?」
「どうせ一から変えるとか思ってるんだろうけど、それじゃ役不足。ま、貴方たちは初めから役不足だから気にしなくて良いわ。どのみち何も変わらないから」
「な……」
その言葉は、ハッキリ言うと『貴方たちは無能だ』という意味ではないのか。
絶句していると、そこからも何かを読み取ったらしい学園所有者は、気にしないでと言わんばかりに手を振った。
「貴方たちはエリート、まぁそこは認めてあげる。社会ではそう認められているから、ここに送り込まれたんだろうし。ただね、それだけじゃ勝てないわよ?…という話。貴方たち、見るからに頭堅そうだしねー」
「…それとこれと何の関係が、」
「一からじゃ、ダメってこと」
そう彼女は言って。
くすくす、と笑った。
「私たちを変えたいのなら、零から変えてご覧なさい。もしかしたらマイナス部分から変えないといけないかも知れないけれど、一よりは零の方がまだ可能性があると思うけれど?と…こんなことを言うのは他でもなくて、貴方たちにはどうしたって基礎までひっくり返す力はない、というのを教えたかっただけ」
だから気にしないでと、彼女は朗々と歌い上げるように言う。
その声から溢れんばかりにある自信に、ジェジャンはあるいはこの時、
もしかして、という仮定を述べるまでもなく、
「…一つお訊きしても良いでしょうか」
「私に出来ることで、私が答えても良いと思うことならどうぞ?それ以外はそもそも答えないから安心してくれて良いわ。何でも言って」
「では…一つだけ。ヴェーダ、貴方は現状をどう思っているのですか?」
「単なるレクリエーション」
「…」
先ほど『絶句』という言葉を使ったが訂正しよう。今、この瞬間の方が間違いなく『絶句』という言葉に相応しかった。まさか、そんなに簡単な物と捉えられてしまっているとは。なめられたものだと怒るべきか、それとも大した物だと褒めるべきか。ここまで清々しいといっそ分からないのだが。
が、そんな事柄でも、先ほどから生まれてしまったジェジャンの中の確信に揺らぎは起こさせなかった。むしろ確固とした物になった。
あぁ、本当に、この相手は。
「ねぇ、ジェジャンだっけ、貴方」
「そうですが…何でしょう」
「貴方はまだ話が伝わるようだから誘ってみるけれど、追い出された後にこっちに帰ってこない?歓迎くらいはしてあげるけど」
「追い出されることは確定ですか?」
「当然。ここをどこだと思っているの?」
「…愚問でした」
ため息を吐き、答える。
ここは、彼女が統べている学園。
そんな場所で自分たちが勝てるわけがないという、予感めいた確信は先ほど生まれたばかりだった。
ジェジャンさんはちょっと安全ゾーンに入りました。理由は多分、この人が四人の中だと一番頭やわらかく出来るポジに居るから。
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