式ワタリによる、好きな物を愛でるブログサイト。完全復活目指して頑張ります。
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あともうしばらく、おつきあい願います。
「はぁ…全く、彼らと来たら本当に必死だね…疲れたよ」
肩をトントンと叩きながら不満げに呟くリジェネに、リボンズは苦笑しながら預かっていたカバンを渡した。彼は今まさに、昨日の事件の容疑者として尋問を受けてきた所だったのである。
「お疲れ様と、今回くらいは心の底から言わせてもらうよ。昼に職員室へ行ったくらいでその仕打ちは少しばかり酷いと僕も思うからね」
「でしょ?あーあ…ティエリアがいなくて退屈な上に、あんな尋問に付き合わないといけないなんて僕って不幸」
「…日頃の行いが問題なのでは?」
「ブリングー、そういう事は言ったらダメなんだよ」
「そうだろうか…」
リジェネの言葉にそれでも首を傾げる、ブリングの言葉は確かに正しいのだが、しかし……今は別にその正しさは必要とされていないのである。むしろ、正しい事柄などどうだって良いではないかという風潮が生徒の中に流れている。
理由はまぁ、言うまでもないのだろうが、この尋問騒ぎ。付け加えてその原因となったMDの放送内容だろう。
それ以前から不満は燻っていたけれども、これらが呼び水になってしまった。今までもあった『抵抗の意志』が今や『追い出そうという決意』になりつつあるのである。彼らにとっては非常に有難くないことに。
自分たちにとっては、素晴らしいことであるけれど。
そうなれば、好きなように動けるというものだ。
クスリと笑って、リボンズは集まっていた二人に視線を向けた。
「さて、僕らはこれからどうしようか?」
「とりあえず実力行使かな?楽しそうだねぇ、あの大人たちを虐めるのって」
「だが…証拠は残してはならないのだろう?難しいのではないか?」
「そこは問題ないね」
軽く肩をすくめ、リジェネ。
「だってほら、共犯は学園中の生徒全員だよ?」
「…あぁ、成る程。分かった」
「そう?それは良かった」
などと言って、彼は笑んだ。
…実際、リジェネの言うとおりなのだ。学園中の誰も彼もが、味方。故にどのような行為を行ったとしてもそれが彼らを追い出すための行動であるのならば彼らは、黙って協力するだろう。その様が目に浮かんでリボンズはほくそ笑んだ。
それで良い。
それでこそこの学園。
「さて、じゃあつまりあれだね、生徒一斉蜂起でイコールあの大人たちは即刻退場イコール今日で彼らの天下も終わり、と」
「そうだね、リジェネ。ブリングはどうする?何かをしたいのかな?」
「いや…俺はアリバイ作り側で良い」
「実力行使はしない、と」
やっぱりか、とリボンズは頷いた。結構物静かな彼なので、その言葉は納得できる。それよりも実力行使に加わると言われたらどうしようという、そちらの方が強かったので今感じているのは安堵。
一応、彼らもブリングが行動を起こそうと思わない程度には悪役ではなかったらしい。今でも充分悪役ではあるのだが。
ともかく、これで役割分担は決まった。
「ブリングはリジェネのアリバイとかをクラスのみんなと共謀してでっち上げて。僕は僕で、沙慈やルイスに頼むから」
「ネーナとかは?それに刹那」
「彼女は信用されてないから無理だね。刹那は行動を起こしかねない。沙慈とルイスは一応尋問されるメンバーに入っていたけれど、だからといってとても疑われているようではなかったから、そこそこ信じられてると思う」
そこそこ、そんな大それた事が出来ない生徒だと、信じられているだろう。
「果たしてそれが良いことかは分からないけどね…」
「ふぅん、そうなの?じゃあ、僕は放課後にでも動こうかな」
「放課後?…アリバイの意味はあるのか?」
「そーいえば無いけどさ、もしかしたら僕らより先に動こうとか考えてる人がいるかも知れないからね、僕はそれを確認してからどうするか決めるよ」
「先に動こうと考える、誰か?」
はて、とリボンズは首を傾げた。
「そんな人に心当たりあるのかい?刹那かな?」
「さぁ?ただ、いるかもしれないと思っただけだよ」
意味深にそう言ったリジェネは、す、と椅子から腰を上げてこちらを向いた。
「じゃ、僕はそろそろ行くね」
「まぁ、行動を起こす前に捕まらないように頑張ってみると良いよ」
「うん。そうする」
この日が短期間の天下・崩壊の日。
肩をトントンと叩きながら不満げに呟くリジェネに、リボンズは苦笑しながら預かっていたカバンを渡した。彼は今まさに、昨日の事件の容疑者として尋問を受けてきた所だったのである。
「お疲れ様と、今回くらいは心の底から言わせてもらうよ。昼に職員室へ行ったくらいでその仕打ちは少しばかり酷いと僕も思うからね」
「でしょ?あーあ…ティエリアがいなくて退屈な上に、あんな尋問に付き合わないといけないなんて僕って不幸」
「…日頃の行いが問題なのでは?」
「ブリングー、そういう事は言ったらダメなんだよ」
「そうだろうか…」
リジェネの言葉にそれでも首を傾げる、ブリングの言葉は確かに正しいのだが、しかし……今は別にその正しさは必要とされていないのである。むしろ、正しい事柄などどうだって良いではないかという風潮が生徒の中に流れている。
理由はまぁ、言うまでもないのだろうが、この尋問騒ぎ。付け加えてその原因となったMDの放送内容だろう。
それ以前から不満は燻っていたけれども、これらが呼び水になってしまった。今までもあった『抵抗の意志』が今や『追い出そうという決意』になりつつあるのである。彼らにとっては非常に有難くないことに。
自分たちにとっては、素晴らしいことであるけれど。
そうなれば、好きなように動けるというものだ。
クスリと笑って、リボンズは集まっていた二人に視線を向けた。
「さて、僕らはこれからどうしようか?」
「とりあえず実力行使かな?楽しそうだねぇ、あの大人たちを虐めるのって」
「だが…証拠は残してはならないのだろう?難しいのではないか?」
「そこは問題ないね」
軽く肩をすくめ、リジェネ。
「だってほら、共犯は学園中の生徒全員だよ?」
「…あぁ、成る程。分かった」
「そう?それは良かった」
などと言って、彼は笑んだ。
…実際、リジェネの言うとおりなのだ。学園中の誰も彼もが、味方。故にどのような行為を行ったとしてもそれが彼らを追い出すための行動であるのならば彼らは、黙って協力するだろう。その様が目に浮かんでリボンズはほくそ笑んだ。
それで良い。
それでこそこの学園。
「さて、じゃあつまりあれだね、生徒一斉蜂起でイコールあの大人たちは即刻退場イコール今日で彼らの天下も終わり、と」
「そうだね、リジェネ。ブリングはどうする?何かをしたいのかな?」
「いや…俺はアリバイ作り側で良い」
「実力行使はしない、と」
やっぱりか、とリボンズは頷いた。結構物静かな彼なので、その言葉は納得できる。それよりも実力行使に加わると言われたらどうしようという、そちらの方が強かったので今感じているのは安堵。
一応、彼らもブリングが行動を起こそうと思わない程度には悪役ではなかったらしい。今でも充分悪役ではあるのだが。
ともかく、これで役割分担は決まった。
「ブリングはリジェネのアリバイとかをクラスのみんなと共謀してでっち上げて。僕は僕で、沙慈やルイスに頼むから」
「ネーナとかは?それに刹那」
「彼女は信用されてないから無理だね。刹那は行動を起こしかねない。沙慈とルイスは一応尋問されるメンバーに入っていたけれど、だからといってとても疑われているようではなかったから、そこそこ信じられてると思う」
そこそこ、そんな大それた事が出来ない生徒だと、信じられているだろう。
「果たしてそれが良いことかは分からないけどね…」
「ふぅん、そうなの?じゃあ、僕は放課後にでも動こうかな」
「放課後?…アリバイの意味はあるのか?」
「そーいえば無いけどさ、もしかしたら僕らより先に動こうとか考えてる人がいるかも知れないからね、僕はそれを確認してからどうするか決めるよ」
「先に動こうと考える、誰か?」
はて、とリボンズは首を傾げた。
「そんな人に心当たりあるのかい?刹那かな?」
「さぁ?ただ、いるかもしれないと思っただけだよ」
意味深にそう言ったリジェネは、す、と椅子から腰を上げてこちらを向いた。
「じゃ、僕はそろそろ行くね」
「まぁ、行動を起こす前に捕まらないように頑張ってみると良いよ」
「うん。そうする」
この日が短期間の天下・崩壊の日。
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