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そして本当に実行する半身さん。
そして晩。
「……」
宣言通りと言うべきか。
「…お前、そんなにアイス好きだったんか?」
「いや、これはそういう理由からじゃないと思うが。…呆然としているぞ?」
「アリオス…あれは、どうい、」
「訊かないで」
「あ…あぁ」
……今、自分の目の前には食事時にもかかわらず…アイスが、ある。
ただあるだけではないのだ。普通においておくだけでは気が静まらないのだ、と言わんばかりに見事に山積み。数えたらざっと十を超えていた。
先ほど『準備があるから』と出て行ったのは…成る程、これを準備していたからか。
本当に…とんだスイッチを押してしまった物だ。
どう反応すべきか困っているケルディム、我関せずを決めたらしいセラヴィーに、アリオスは黙々と食事を続け、その半身が纏っている冷たい気配に身を竦めながらも逃れるすべを知らない(ここで去ると夕食が無くなるので)ダブルオー。
誰一人として救いの手を差し伸べようともしなかった。
まぁ、助けようとも助ける方法が、存在しないのだから当然かもしれない。今の半身がいる時点で、行動らしい行動を取ることも出来ないのは……道理なのだから。
もっとも、誰も助けようなどと言うことは考えていないだろうが。
…この薄情者ども。
「キュリオス」
そんなとき、こそりとセラヴィーが耳打ちをしてきた。
「何があったかは知らないが……知りたくないが、早く謝った方が良い」
「……」
「あそこまで怒っているのだから尚更にな。しかし……どうしたんだアレは本当に。今までの鬱憤やらストレスやら全てが吐き出されているような感じだが」
「…訊くんじゃねぇよ」
アイスの山を前に力なく言葉を返し、彼の言葉を頭の中でもう一度繰り返す。
「謝る、ねぇ?」
それは何とも。
今取り得る中で最も良い案であるように、思えた。
これ、実行されたらたまった物じゃないですよね。